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2011年2月20日放送

肉球に優しくない庭

この物件が抱える問題

  • ■救助犬やセラピードッグの育成をしている協会の仲間が、活動後に反省会を兼ねて集まってくるが、メンバーの愛犬達を待たせておく場所が無く、ミーティングの最中はそれぞれの車内の窮屈なケージの中に入れている。そのため、メンバーは愛犬の様子を確かめにミーティングの途中で何度も車に戻らなければならない
  • ■75坪もの広い裏庭を、犬達のために開放しようと思ったが、広さ故、手入れが行き届かず荒れ放題になっている
  • ■雑草で隠れた足下には、切り株や大きな石が点在しており、愛犬達の肉球を傷つける危険がある
  • ■犬がいるので除草剤が使えず、1年に4、5回 草刈機で雑草を刈っているが、伸びるペースの方が上回っている
  • ■雑草が、やぶ蚊の繁殖の温床になっており、人も犬も刺されている
  • ■隣家との境界線が、石を置いているだけで柵もなく、犬を離すと隣家の敷地内にまで入ってしまう
  • ■根に毒性を持つ植物が生えていたり、他にもムカデや猛毒を持った毛虫などが潜んでいる
  • ■屋根から落ちてくる雪に当たらないように庭の中央に倉庫が置いてあり、せっかくの広い庭の眺めを遮っている
  • 写真:サムネイル
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この問題を抱えた物件に、立ち上がった「匠」とその技

写真:「匠」の顔写真

癒しの庭園療法士 阿部容子

犬がたくさん遊びにくるので、犬と人間のエリアを上手に分けつつ、お互いの存在を確認しながら、安心感を持って楽しめるスペースが出来ると良い。

全ての問題を解決したそのビフォーアフターをご覧ください!!

赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます

家族の幸せを願った「匠」からのアイデア

飼い主さんにとって便利な設備
リフォームで出来上がったのは、愛犬と飼い主達が集えるドッグラン。入り口に掲げられたシンボルマークは、こちらのお宅の愛犬・ヤマトくんの勇姿。これはお母さんのデザインをもとに「匠」が手作りしたもの。

その入り口の脇には、飼い主さんにとって夢のアイテムである、遊んで汚れた犬の足や体を洗うためのドッグシンクまで完備されました。

雨に濡れても安心なカバーがついたコンセントも用意。ドライヤーを使って、本格的なトリミングもおこなえます。

出入口は、中にいる犬が不意に飛び出してこないように、扉を2重構造に。側面には可愛らしいリード掛けも。
画像: 匠のアイデア
愛犬にとって快適なエリア
ドッグラン全体は、丈夫なウリン材のフェンスで囲んであり、その内側には踏まれても強い野芝と防虫効果のあるハーブが植えられました。

この庭のシンボルとして残されたグミの木の下には、愛犬たちの遊び場が完成。肉球に優しい丸太の階段をトコトコ上れば、そこはウッドデッキ。夏は木陰で涼しく、冬はポカポカ日向ぼっこ。

草の種や根っこが混じった表土と地中の土を、上下ひっくり返して盛った築山は、雑草を生えにくくするための「匠」の大胆な療法。

庭の真ん中には、ドーム式の水飲み場を設置。暑い夏、喉が渇いた愛犬たちが一斉に集まっても、これならヘッチャラです。

庭に埋もれていたケヤキの切り株は、廃材オブジェとして飾られました。そこに天板を付けると…2つの大きな穴に切り株がぴったり収まり、周囲の小さな8つの穴にはステンレス製の器をセット。なんと、切り株が可愛らしいおやつテーブルに大変身!
画像: 匠のアイデア
愛犬を眺めながら
ドッグランの隣には、協会の仲間が大勢集まれるウッドデッキが。広い階段はベンチの代わりにもなります。もちろんウッドデッキの最上段にも、みんなで座れるベンチが。愛犬が駆け回る姿を眺めながら、ほっとひと息。

そのウッドデッキとドッグランとの仕切りには、ケージをそのまま利用して作った、おやつをあげるのに便利な小窓が。その横は扉になっているので、ウッドデッキからそのまま、愛犬達が遊んでいるスペースに降りることができます。

犬のおやつやオモチャは、家まで取りに行かなくても大丈夫。「匠」にぬかりはありません。ウッドデッキの扉の横に収納スペースがちゃんと用意されていました。

ウッドデッキの足元には、オシャレな竹のランタンが…。実はこれ、「匠」が手作りした虫除けキャンドル。ミツロウを湯煎で溶かしハーブエッセンスを少々。それを、凧糸を垂らした竹の中に流し込むだけ。竹には防腐処理も施しました。これで犬のみならず、人間の虫対策も万全です。

ウッドデッキの背後には、ご主人待望の日本庭園が作られました。かつて木が生い茂りジメジメとしたこの場所にあった苔むした2つの切り株。「匠」はここに、苔庭としての新たな命を吹き込んだのです。
画像: 匠のアイデア
雪国ならでは対策
フェンスと同様、水に強いウリン材で作られたウッドデッキには、雪国ならではの仕掛けが。
なんということでしょう! 背もたれと階段から水が流れ出しました。これは雪が積もると温かい井戸水を流して雪を溶かす、という雪国ならではの工夫を取り入れたもの。これで、真冬でも思う存分ウッドデッキが使えます。

雪対策は「ワンちゃんスペース」にも。肉球を模したキャップを被ったパイプをフェンスに設置。これを伸ばしてネットをかければ…背の高いフェンスとなり、たとえ2mの積雪でウリン材のフェンスが埋まってしまっても、愛犬達が柵を超えてしまう心配はありません。

ゲートが雪に埋もれて開かなくなっても、ウッドデッキに仕舞われている踏み台を階段状に並べて、おもちゃ入れの上に立てば、雪で埋もれたドッグランを見下ろすことができます。

積雪対策は、ドッグランだけではありません。家の壁際に作られた落ち着いた和の空間。そのベンチの背もたれのように見える竹の柱は、窓の位置に合わせることが可能。こうすることで、積雪時、積もった雪の圧力で窓が割れるのを防いでくれます。
画像: 匠のアイデア
今回お手伝いいただいた工務店の皆さん
写真:工務店の皆さん
岐阜県可児群 有限会社 かたくり工房
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