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みんなの家庭の医学 <番外編> 今週の名医!ここだけのハナシ

番組に登場した名医・専門家が、放送では伝えきれなかった病の治療法や解消法をコミコミクリニック限定で詳しくお話しします。

夫源病の解決法 大阪大学大学院 医学研究科 保健学専攻 准教授 石藏文信先生

夫源病の解決法

    夫の言葉や行動がストレスとなり、妻の身体に更年期様の症状が出てしまう「夫源病」。逆の立場からすると妻源病もあると思いますが、どちらも夫婦のコミュニケーション不足と役割分担がうまくいっていないことが問題だと思います。

    近年、自殺者が増加し、とりわけ中高年の男性がかなり追い込まれています。中高年の男性は不況の折、会社や社会から厳しいストレスを受けています。元来男性は攻撃性の強い生き物ですから、そのストレスが自分に向いた時に自殺、妻に向くとDV、そして子供に対しては虐待などにつながります。このことからも分かるように男性も女性も仕事と家庭生活のバランス:ワークライフバランスをうまくとることが必要だと言われています。

    中高年の夫婦では男性が仕事で稼ぎ、妻は家を守る場合が多いと思いますが、夫が不況で失職、うつ病で闘病生活に入るなどして、いつも保ってきたバランスが崩れると家庭生活は破たんしてしまいます。順調に過ごしていても定年を迎え夫がずっと家にいるようになると夫婦関係が崩れて、妻が夫源病になる例も稀ではありません。

    私の経験ではまじめだけど頑固な夫を持つ、我慢強い主婦におこりやすいようです。不満が全くない夫婦などないでしょう。波風を立てることを恐れて、我慢し続けるとストレスがたまり、頭痛・肩こり・動悸などの更年期様の症状に悩まされます。夫婦のバランスを保つためには、まずお互いに理解できるよう喧嘩を恐れずに不満を少しずつぶつけあうのがコツです。手が出るのは問題ですが、口での“プチ喧嘩”は夫婦のコミュニケーションと考えて大いにやってください。

    それでも夫が改心しないようなら、妻が思い切って3-4日家を出る“プチ別居”をお勧めしています。夫から距離を置くことで症状は回復するでしょうし、夫は妻のありがたさを知る機会にもなります。これを機会に夫は料理を、妻はパートでも始めてお互いに依存しすぎない関係を作ることが大切です。仲の良い夫婦でも個人の生活ペースは同じではありません。無理に相手のペースに合わせることでイライラしたり、疲れたりします。中高年夫婦こそ、お互いのペースを尊重し、適当な距離をおいて過ごすことが大切でしょうね!

    若い夫婦は共稼ぎが多いので、危険性は少ないですかもしれませんが、逆にたまにしか時間が合わないので、お互いの存在に気を遣いすぎて疲れ、過緊張で体中が痛いなどの症状に悩まされる人もいます。家庭で本当にリラックスするためにも、喧嘩を恐れずに本音をさらけ出すことがとても大切です!お互いを大切に、そしてため込まない楽しい夫婦生活を送りましょう!

(2012年5月)

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