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みんなの家庭の医学 <番外編> 今週の名医!ここだけのハナシ

番組に登場した名医・専門家が、放送では伝えきれなかった病の治療法や解消法をコミコミクリニック限定で詳しくお話しします。

日本大学医学部付属板橋病院 泌尿器科外来医長 山中弥太郎先生

簡単にできる“膀胱訓練”で頻尿対策!

  寒い季節になりました。この季節、頻尿でお困りの方は多いと思います。頻尿は生活する上で程度の差はあるにしろ少なからず悪影響を及ぼし、いわゆる生活の質を低下させてしまいます。
そこで今回、頻尿予防に効果的な膀胱訓練のお話をさせていただきました。

膀胱の容量UP!膀胱訓練とは?

  頻尿対策には、体を冷やさないようにすることや、膀胱や子宮、尿道を支えている骨盤底筋と呼ばれる筋肉を体操で鍛えるなど様々な対策があるかと思いますが、今回は実際に病院の治療でも取り入れられている“膀胱訓練”という方法をお教えいたします。膀胱訓練というのは、簡単にいえば計画的に尿を我慢して、膀胱にたまる尿の量を少しずつ増やし排尿回数を減らす方法です。

膀胱訓練をするのに適した人

  膀胱訓練を行う場合、頻尿の症状でも、適している場合と適していない場合があります。頻尿以外には症状は無いけれども「子供のころから人よりも多くトイレに行く」、「少しでも尿意を感じるとトイレに行かないと気がすまない」、「尿が漏れるのが怖いので早めにトイレへ行ってしまう」、「何かに熱中していれば大丈夫だが、やることがないとトイレに行きたくなる」というような方は、神経質な方にみられる頻尿の可能性が高く、病気の可能性が少ないと思われるので膀胱訓練をするのに適していると言えるでしょう。

  また、膀胱にためられる尿量が少ない方も膀胱訓練をするのに適しています。膀胱の容量がどれくらいあるのかは、計量カップに1回分の尿を採取することで、簡単にチェックすることができます。年齢にもよりますが、通常1回の尿量は成人女性で200ml~300ml、男性では300~400ml程度です。もし、この尿量よりも極端に少ない場合は、膀胱訓練が有効な可能性があります。

膀胱訓練をやらない方が良い人

  しかしながら、素人判断で尿を我慢してはいけないケースもあります。例えば下記のようなケースでは膀胱訓練はせず、専門医による治療が必要です。

①尿が出づらい前立腺肥大症のような病気
②細菌感染によっておこる膀胱炎
③急に尿意が起こり我慢することができない過活動膀胱
④蓄尿時や排尿時に痛みがある間質性膀胱炎
⑤膀胱に石がたまる膀胱結石
⑥前立腺癌
⑦膀胱癌

  この他にも血尿や排尿時痛などの症状のある方、頻尿が徐々に悪化するような方は、専門の先生に一度診ていただくのが良いと思います。

簡単!膀胱訓練のやり方

  では、訓練のやり方を説明します。やり方はいたって簡単です。

①肛門や尿道に力を入れてぐっと尿を我慢する
②排尿以外のことを考えたり、ゆっくり深呼吸することで尿意を紛らわせる
③尿を我慢する時間を5分、10分と計画的に少しずつ延ばしていく


~ポイント~
ポイントは、尿意には波があることを知ることです。
尿意は波のように強弱があります。尿意が強い時に行動すると尿を漏らしてしまうことがあり、万が一漏らしてしまうとトラウマになって、さらにトイレを気にするようになってしまう場合があります。ですから、トイレに行く時は波が弱い時に行くようにしましょう。自信の無い方は外出時は避け、まずは尿パッドなどをあてて自宅での練習をお勧めします。そして、訓練をしてすぐに効果がなくても3ヶ月位は続けてみましょう。

夜間頻尿は排尿日誌で原因を探る!

  もうひとつ皆さんにお話をしておきたいことがあります。それは夜間頻尿についてです。夜間頻尿は通常夜間1回以上トイレに起きることをいいますが、実際問題になるのは2~3回以上のときです。現在のところ夜間頻尿の要因として、①夜間多尿②膀胱蓄尿障害③睡眠障害などが考えられていますが、要因は一つだけではなく複数関わっていることがあり、我々泌尿器科医でも治すことが難しいこともあります。もし皆さんが専門の先生に診てもらう際には排尿日誌を記載してから受診されることをお勧めします。排尿日誌とは、尿の出た時間と尿の量を日記のように記載することです。日中か夜寝てからの排尿なのかを分かるように記載してください。

  夜間頻尿の原因が明らかになれば、きっと良い治療方法が見つかると思います。

(2012年12月)

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