インタビュー

大石静さん インタビュー

  • 藤山直美
  • 鈴木京香
  • 岸辺一徳
  • 大石静

今回の作品について
普段、舞台で見られる藤山直美さんとは、違う顔をドラマで見たいと思いました。もちろん直美さんの持ち味を生かしつつ、みなさんがちょっと想像できない感じ・・・。
その昔、近松門左衛門が「虚実皮膜の間」を表現することが大事だと言っています。
私も今回、このドラマで虚と実の間、善と悪の間にこそ、真実があるのだということを表現したいと思いました。
楽しんでご覧いただきながら、そういう哲学がチラリと感じられる大人の喜劇にしたかったんです。
この虚実皮膜の間を表現するには名優でなければなりません。そういう意味でも、この作品は藤山直美さんでしか成立しなかったと思っています。
グリフター(詐欺師)という設定について
詐欺師というと、振り込め詐欺がイメージされますが、今回のドラマの主人公達はいわゆる義賊です。
巨悪を退治する現代の仕事人ですね。
バブルがはじけた後、銀行が政府から支援を受け、更に大量の不良債権を容赦なく処分して生き残りました。そのために、ささやかな商売を奪われた人も多いことは周知の事実です。この場合、銀行は別に法律にふれる悪いことはしていません。一方、ドラマの中の詐欺師達は銀行をこらしめ、弱小企業を助けるために法律を犯します。
このように善と悪には分けきらないことが世の中にはあるということを、ささやかに表現したいと思ったのです。
主演の藤山直美さんについて
直美さんは、役者になるために生まれて来た方なのだと思います。
お父さんの寛美さんから、役者をやれと言われたのは、ご兄弟の中で直美さんだけだと聞いたことがあります。子役をやった後、中学、高校は普通に過ごし、高校卒業後本格的に役者を始めたんですって。
歌舞伎役者のように、役者になるために生まれ、役者になるために育てられた特別な人。大人になって役者を志す人とは、ぜんぜん違う特別な存在だと思いますね。

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