福井県と滋賀県とに隣接する、京都府 美山町は町全体が深い山で囲まれています。
なんと町の総面積の99.5%が森なんです。
なかでも町の北東部にある芦生の森は、過去 80年間、ヒトの手が加わっていない天然林が たくさん広がっています。



京都大学芦生演習林は、そんな貴重な森を 研究の対象にしようと、土地を借り受けて、 森の生態系や木の働きなどを毎日調べて います。



京都大学芦生演習林長の中島皇さんは、 「今、まわりの森林が伐採されてしまった結果、 こういう森というのが日本はもとより、世界でも 少なくなっています。芦生の森というのは、 日本海側の植物と太平洋側の植物が混ざり あっているところになります。非常に種が 多いのがひとつの特徴になります。」



この森の中には、とっても大切な研究資料が いたるところにあります。高さが35mもある 樹齢350年のミズナラの大木。



その他、いろいろな野生の生き物たちも、 この森を生活の場としています。
あちらこちらで、彼らが残したフィールドサイン (熊によって皮が剥がされた杉の木、 シカの足跡など)というものが見受けられます。
芦生の森は、かけがえのない自然の宝庫です。