みなさんはネバネバと糸を引く「納豆」をよくご存知ですよね。納豆菌の仲間にバチルス・ズブチリスという微生物がいますが、この微生物は、納豆のネバネバの成分のひとつ、ポリグルタミン酸という物質を作り出します。


これはそのポリグルタミン酸を粉末状にしたもの。実はすごいパワーを持つ魔法の粉なんです。この粉はもともと水と結合しやすいのですが、ガンマ線を当てると水だけでなく、汚れも一緒にからめ取ってしまうんです。


実際に汚れた水に入れてかき混ぜてみましょう。汚れがからまってきました。このまま1日おいておくと汚れがほとんどからめ取られて沈んでいきます。


ポリグルタミン酸が水の汚れを取ってしまうその効果を調べる実験が今、岸和田城のお堀で行われています。この研究は、大阪市立大学の研究チームによって進められました。


「これほど多量に微生物が、安価にこういう物質を作ることはないと思います。保水性がありますから、繊維の中で静電気防止の衣服を作ったり、最終的にオアシスの水の流出を防ぐ、つまり砂漠化を防ぐ、そういう動きも出来ると思います。」と理学研究科の谷口誠教授。