放送内容

月桂冠株式会社ロゴ―月桂冠株式会社―

日本の酒どころ、京都・伏見に本社を置く「月桂冠」は創業して今年で377年の歴史を誇る老舗企業です。どこよりも早く酒造りに科学技術を取り入れ、日本酒業界の常識を打ち破る醸造システムや広告宣伝戦略に挑んできました。また明治時代の駅売りのコップ付き小瓶や、防腐剤なしの日本酒、そして昨今の大ヒット商品「糖質ゼロ」・・・画期的な商品を次々と生みだした背景には、それを支えたプロフェッショナルたちがいました。
その「アフォリズム」とは・・・。

【第1話】2014年2月24日(月)24:24〜

データを活かすのは職人の感性

  • 月桂冠「大手蔵」概観の写真です月桂冠「大手蔵」
  • 麹
  • 醸造部副部長 山中洋祐さんの写真です醸造部副部長 山中洋祐さん
  • 月桂冠の酒造りの風景写真です月桂冠の酒造り

月桂冠は377年の歴史を誇る老舗企業でありながら、革新的な技術も取り入れて品質の高い日本酒を造り続けてきました。一年を通じてお酒を造る「四季醸造システム」を日本で初めて稼働させたのも月桂冠です。
そんな伝統ある月桂冠で酒造りに精を出すのが、この道20年の山中洋祐さん。
米を蒸し、発酵させて、絞る…人の手で行われていた酒造りですが、今ではすっかり機械化されています。
そんな中で、安定した状態のお酒を効率よく生産するのに欠かせないものが「データ」。
月桂冠は昔から色々な分析データを酒造りに活かしてきました。
もともと研究職として入社した山中さんは、入社5年目で酒造りの現場へ異動。
そこで山中さんはあることに気づきます。おいしいお酒を造るのにはデータともうひとつ必要なものがあるということ…
それは「データを活かすのは職人の感性」だということ。
いくら機械化が進んだとはいえ、麹菌や酵母菌など酒造りは生き物が相手。データと職人の感性を結びつけて、ようやくおいしいお酒が完成するのだ、と。
月桂冠の日本酒のおいしさは醸造のプロフェッショナルが支えていました。

【第2話】2014年2月25日(火)24:24〜

10年後 売れるものに挑戦する

377年の歴史を誇る日本酒メーカー月桂冠。
本社がある京都市伏見区には105年前の建物が残されています。それが「大倉酒造研究所」です。
どこよりも早く科学技術を導入し、研究データをいかした高品質なお酒造りを推進してきた月桂冠の伝統は、今も研究員たちに脈々と受け継がれています。
麹菌を研究して30年、所長の秦洋二さんもその魂を受け継ぐひとりです。
秦さんは言います。今売れるお酒を造るだけでなく「10年後 売れるものに挑戦する」これが月桂冠の姿勢だと。
この想いがあってこそ、うまれた商品があります。特許製法による「糖質ゼロの日本酒」。
日本では初めてのお酒でした。
健康の重要さをずっと考えてきた秦さんは、長くお酒を楽しむことができる健康を意識した商品でお客様に喜んでもらいたいと思っていました。
今では当たり前の「糖質ゼロ」商品ですが、当時は、お米から造る日本酒の糖質をゼロにするという発想は、画期的でまず不可能だと思われていました。しかし、秦さんはじめ研究員たちの想いの強さが、10年以上の歳月をかけて不可能と言われた商品を現実にしたのです。
目の前だけを見るのではなく、10年後に必要となる技術を探る。
この会社を支えているのは、失敗を恐れずにチャレンジを繰り返すプロフェッショナル たちでした。

  • 大倉酒造研究所の写真です大倉酒造研究所
  • 現在の月桂冠総合研究所の写真です現在の月桂冠総合研究所
  • 総合研究所長 秦洋二さんの写真です総合研究所長 秦洋二さん
  • 糖質ゼロの商品写真です糖質ゼロ

【第3話】2014年2月26日(水)24:24〜

社内の常識を疑え

  • 糖質ゼロの商品写真です糖質ゼロ
  • 営業推進部 マーケティング課 杉本宏治さんの写真です営業推進部 マーケティング課
    杉本宏治さん
  • 糖質ゼロプレゼン風景の写真です社内では酷評だったが…

京都・伏見の月桂冠は革新的な新商品の開発で業界をリードしてきた日本酒メーカーです。たとえば常識では考えられなかった糖質ゼロのお酒も積み重ねた研究データをいかし、独自の特許製法によって商品化しました。
この糖質ゼロの商品化を提案したのが営業推進部の杉本宏治さん。
しかし、糖質ゼロをプレゼンした杉本さんに待っていたのは厳しい評価でした。
「味が薄い」「まずい」「絶対売れない」…画期的な糖質ゼロの日本酒も、その辛口ながら軽い飲み心地は、月桂冠の従来の価値基準と大きく異なったのです。
ところが、一般ユーザーの反応は違いました。サンプルを飲んだ半分くらいの人がなんと「おいしい」と評価したのです。糖質ゼロのお酒は日本酒独特のくどさが、抑えられた辛口となり、結果すっきりとした味わいを求める人には好評を得ました。
杉本さんはその時気付きました。「社内の常識を疑え」と。社内の常識が本当に正しいかどうかはわからない、ということを。お客様目線に立って提案する大切さを。
ユーザーの反応を知った会社は杉本さんの意見を取り入れ、商品化を後押し。
販売が始まると糖質ゼロは瞬く間に人気の商品になりました!
この会社を支えているのは、常識にとらわれず、新たな商品を生み出すプロフェッショナルたちでした。

【第4話】2014年2月27日(木)24:24〜

伝統とは創造と革新だ

月桂冠の歴史を語る上で欠かせないのが、わずか13歳で11代目当主となった大倉恒吉(1874〜1950)です。恒吉は、様々なアイデアで日本酒業界の常識を打ち破ってきました。
例えば、いち早く科学技術を取り入れて総合研究所の母体となるものを作ったり、駅で販売するコップ付きのお酒や当時では画期的な防腐剤なしのお酒などの新商品を世に送り出したり…。挑戦を続け、業界をリードしてきた恒吉にはある信念がありました。それが「伝統とは創造と革新だ」
この精神は、商品開発だけでなく、広告宣伝にも力を発揮しました。
ポスターや新聞広告、そしてハイカラなネオン塔。次々と展開される広告戦略は功を奏し、月桂冠の名を全国に広めることになるのでした。
そんな月桂冠の創造と革新のDNAを受け継ぐのが営業推進部で宣伝を担当する青木さん。
日本酒の伝統的なイメージにとらわれることない、自由な発想で広告宣伝を展開。
若い世代向けの雑誌やラジオ番組とのコラボレーションなど話題性豊かな企画を数々手がけています。
いいものをより多くの人へ伝えたい・・・
創造と革新で日本酒の伝統を現代に引き継ぐ、プロフェッショナルの挑戦は続きます。

  • 月桂冠 本社の概観写真です月桂冠 本社
  • 11代目当主 大倉恒吉の写真です11代目当主 大倉恒吉
  • 明治時代に発売された「コップ付き日本酒」の写真です明治時代に発売された
    「コップ付き日本酒」
  • 営業推進部 部長 青木雅一さんの写真です営業推進部 部長 青木雅一さん
  • 現在の月桂冠の商品写真です現在の月桂冠の商品