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2011年2月27日放送

隣の部屋に行けない家

この物件が抱える問題

  • ■8年前に「ビフォーアフター」でリフォームした自宅「トイレが玄関の家」の、隣の家を購入したので、2軒を繋げて1軒の家として生活したい
  • ■購入した隣家も、自宅同様に築100年を越え、老朽化している
  • ■通りに面して縦に並んでいる立地の為、2軒を繋げると、間口が3m60cmに対し、奥行きが20mの極端に細長い家が出来上がる
  • ■通りに面した玄関は、道路面より60cm以上も下がっていて、足下に大きな段差がある上、庇も頭を打つほど低い位置にあり、高齢の両親には障害となる
  • ■傾斜角が60度を越える、まるで梯子のような階段は、踏み板の奥行きも無く、荷物を持って上がれない
  • ■2階の通りに面した側の部屋は、軒下に位置するため、奥に行くほど天井高が低くなっている
  • ■ベランダに通じる窓は、床から70cmも高い位置にあり、その段差を越えるのが大変
  • ■1階は陽が差し込まず、昼間でも照明が無いと真っ暗
  • 写真:サムネイル
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この問題を抱えた物件に、立ち上がった「匠」とその技

写真:「匠」の顔写真

三次元の冒険家 西濱浩次

前回のリフォームから8年が経ち、ご両親の足腰も弱ってきているのが印象深い。介助しながらお風呂に入る場合など、広さが不十分で不便な部分がある。2軒の家を繋げることでスペースに余裕ができるので、そのような点を解消したい。

全ての問題を解決したそのビフォーアフターをご覧ください!!

赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます

家族の幸せを願った「匠」からのアイデア

町屋風情の趣を取り戻す
昔ながらの町並みが今なお残る地に相応しい佇まいにするため、「匠」は見事に古き良き町屋の顔を復活させました。

大阪の町屋のシンボルでもある緩やかな曲線を描く「むくり」の付いた瓦屋根。更に、「うだつ」や「虫籠窓(むしこまど)」も復活させ、風格ある表情を創りだしたのです。

軒先に添えられた鉄の表札は、その趣ある古さの中で新しさを醸しだしています。

かつて、家の前の道路と玄関との段差に使われていた2枚の踏み石は、壊すことなく玄関に埋め込み再利用しました。

真新しい格子戸を開けば、そこには、「匠」からお年を召したご両親への優しい配慮が。ひと休み出来るベンチや、屈まずに使える靴箱が備え付けられていました。

そんな新しい玄関ホールの頭上には、虫籠窓から漏れる光が120年間この家を支えた梁を照らす、気持ち良い吹き抜けが広がっています。
画像: 匠のアイデア
年老いた両親が快適に過ごせるように
玄関を入ってすぐの場所には、両親の新たな寝室が用意されました。

二人のベッドが並んだ広々とした空間のワンルームは、建具を閉めることでそれぞれ独立した寝室として使うこともできます。

長さ7mに渡り、壁面に備え付けられた巨大な収納。その取っ手は、奥行きが長くなった家を行き来する両親のために手すりの役割も果たしています。

壁面収納の一角には、新しく家族に加わった愛犬の家まで作られていました。

寝室からすぐの場所、手すりがついて傾斜角も緩やかになった階段下の空間を有効利用し、トイレも設置されました。
画像: 匠のアイデア
坪庭が生み出す効果
家の中央に作られた坪庭。
この坪庭によって、より快適な暮らしを「匠」はもたらしました。

リフォーム前は暗闇だった1階に、ご両親の快適な寝室を新たに作ることができたのも、坪庭から季節ごとに変わる光と風、緑の香りが運ばれる居心地良い環境を生み出した結果。

以前の脱衣所や浴室と比べると、十分にスペースをとった新たな水回りスペース。広くなったおかげで、将来ご両親を介助することがあっても、その負担がうんと軽くなりそう。そんな浴室からは、浴室からは、坪庭を眺めながら浴槽に浸かることができ、癒し効果も抜群。長湯してしまいそうです。

坪庭には「匠」オリジナルの灯篭も作られました。ステンレスの筒を加工し、月と太陽をかたどった「明」の字をデザインしたもの。夜は、そこから柔らかな光が差し込みます。

その灯篭の頭の部分には、ポリカーボネートの板が置かれています。
実は この板、洗濯籠を置くためのもの。その洗濯籠に、2階のベランダから下ろしたロープをつなげると…なんと2階から1/2の重さで洗濯籠を引き上げることができるのです。この装置によって、重い洗濯籠を持って階段を上がらなくても、軽々と2階まで運ぶことができるようになり、干し物が楽になることでしょう。
画像: 匠のアイデア
お客様を迎えるために
向かい合う形であった2軒の家のベランダは、雨でも洗濯物が干せる屋根のついたデッキと、芝生の敷かれた屋上庭園に姿を変え、1軒の家として2階を繋ぎました。

その2階に新たに作られた開放的な部屋。それは、今まで大勢のお客さんを呼ぶことなどできなかった、家族たち待望のゲストルーム。大容量の収納スペースも用意されました。

屋上庭園の緑が眩しいベランダを臨める一角には、ミニキッチンが設けられ、いちいち1階へ行かずともお茶などが入れられます。

キッチンで作られた料理やお茶を並べるのは、安くて丈夫な構造用合板で作った、「匠」特製のテーブル。

普段は4人がけのテーブルですが、天板を外して脚を分解すれば、大勢がゆったりとくつろげる座卓にすることができます。更に、お客さんが泊まっていく際には、ベッドにもなるという優れものなのです。

画像: 匠のアイデア
今回お手伝いいただいた工務店の皆さん
写真:工務店の皆さん
大阪府松原市 株式会社 エムエス工務
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