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2010年1月~2012年12月の放送内容です。2013年1月以降の番組情報はこちらから

たけしの健康エンターテイメント! みんなの家庭の医学 毎週火曜よる8時

絶対にやってはいけない!間違った薬の使い方スペシャル

番組放送日:2012年11月27日

薬を途中でやめる

薬を途中でやめたことで起きた、恐ろしい病の正体とは? 

本当は怖い風邪薬

よく飲む風邪薬の意外な副作用の正体とは? 

薬の投薬による最新治療

51年間苦しみ続けた症状が改善!薬による最新治療を行う医療チームと患者さんに密着! 

薬の危険な飲み合わせ

知らないと大変!間違えやすい薬の使い方とは? 

 

薬を途中でやめる

薬を途中でやめたことで起きた、恐ろしい病の正体とは?

 

全国約1万人を対象にした薬の飲み方に関する実態調査の中で興味深いのは、6割以上が処方薬を自分の判断で中断した事があると答えていたこと。症状がよくなったから薬は飲まなくても大丈夫…と薬を溜め込んでいると、恐ろしい病を引き起こすきっかけになることもあるのです。

<症例>
※専門医の指導のもと実際の症例を参考に構成しています

梅田知子さん(43歳・仮名)

美容師。
半年前、念願だった自分の店をオープンした。
お客が立て込むと、なかなかトイレに行かれず、仕事中おしっこを我慢する事が多くなっていた。

 

 

  症状 排尿時の痛み
ある時、トイレの我慢のしすぎから、
おしっこがしみるような痛みを感じ、
翌日には排尿時の痛みが強くなっていました。
休業日まで我慢した知子さんは5日後、近くの総合病院で泌尿器科を受診。膀胱炎と診断されました。

 

膀胱炎とは、膀胱が大腸菌などの細菌によって炎症を起こす病。特に女性に多く、一生のうち2人に1人は経験すると言われています。知子さんが膀胱炎になった原因は「トイレの我慢」。通常、外部から侵入した菌は排尿時に排出されますが、排尿を我慢した事で膀胱に細菌が増殖し、炎症を引き起こしていたのです。知子さんには膀胱炎を引き起こす細菌に有効な抗生物質が1週間分処方され、毎食後1日3回服用することに。※抗生物質は、主に細菌を退治し繁殖を抑える薬。20種類以上もあり、病気によって使い分けられている。

薬を飲み始めて2日後、排尿時の痛みは治まったため、医師から「一週間飲みきるように」と言われていた薬をやめてしまいます。1ヶ月後、痛みがぶり返したため以前処方された抗生物質を服用すると、2日後に症状は改善。以来、痛みが出るたび薬を服用するように。 

 

 

症状① 震えが止まらないほどの悪寒
膀胱炎の症状を繰り返すようになって1年半後。
また排尿時の痛みに襲われたため、
とっておいた抗生物質を服用し、眠りにつきました。
その3時間後、突然、震えが止まらないほどの悪寒が。

 

  症状② 高熱
そして、39度7分の高熱

 

  症状③ 腰に鈍い痛み
さらに、腰のあたりに鈍い痛みがあったため、
すぐに病院へ行き、緊急入院することに。
検査の結果、腎臓が大腸菌に汚染されて炎症を起こし、
今まで服用していた抗生物質が効かない特殊な菌が
腎臓に繁殖しているといわれます。


病名:急性腎盂腎炎(きゅうせいじんうじんえん)
大腸菌などの細菌が膀胱から尿管を伝い、腎臓に到達。そこで繁殖して炎症を起こす病。放っておくと細菌が全身に行きわたり、最悪の場合、死を招く危険性もある。

病の原因(1)

医師から処方された抗生物質を症状が良くなったからと飲み切らなかった
抗生物質を服用後、約2日で細菌は半分以下に減少し、症状が改善されました。ここで抗生物質を勝手に止めてしまったため、生き残っていた細菌が増殖し、膀胱炎を引き起こしていたのです

 

病の原因(2)

残った抗生物質を症状が出るたびに勝手に少しずつ飲み続けた
症状が出る時だけ抗生物質を飲むことを繰り返していた彼女の膀胱では、生き残った細菌が薬に慣れ始め、抗生物質に対抗できるよう変化してしまったのです。 

 

それこそが…
薬剤耐性菌



薬剤耐性菌とは、特定の抗生物質に慣れ、効き目が全くでないように進化した細菌の事。結核やマイコプラズマ肺炎なども薬剤耐性菌が誕生し、問題となっている。

彼女の膀胱にいた細菌も薬剤耐性菌へと変化し、それまで使っていた抗生物質が効かなくなり増殖。尿管を伝って腎臓に到達し、急性腎盂腎炎を引き起こしたのです。その後、薬剤耐性菌に有効な抗生物質の特定に成功。今度は薬を最後まで飲み切り、膀胱炎も腎臓の炎症も完治することができました。

 

【名医が解説!】意外に知らない抗生物質

  東京厚生年金病院 泌尿器科 部長
赤倉功一郎先生
抗生物質は処方量・飲み方・期間が決められていて、
全部飲みきってこそ最大効果が発揮できます。
途中で止めると細菌は抗生物質に対抗するため自ら変化して耐性化します。これが、薬剤耐性菌です。


耐性菌になっても別の抗生物質で対処できますが、また途中でやめれば菌は新しい抗生物質にも耐性化する恐れがあるため注意が必要です。

  医薬情報研究所 医薬情報部門責任者
堀美智子さん
同じ症状だと思っても、耐性菌や他の病の恐れがあるため、とっておいた処方薬を服用するのは絶対にやめてください。処方薬は患者のその時の症状に合わせて処方されたものですので、使用期限よりも医師の処方通り、きちんと飲み切ることが大切です。

 

【薬箱の注意ポイント】


●処方されても飲んでいない・用法がわからない処方薬を保管していませんか?
  危険ですので破棄しましょう。

●ボトルタイプの軟膏などは、手を洗わずに使うと雑菌が入る恐れがあります。
  特に使用期限が切れたものは雑菌が繁殖し、薬の効果が低くなっている可能性もあるので
  すぐに破棄しましょう。

●色々な種類の解熱剤(市販薬)などを、1つの箱にまとめて保管していませんか?
  同じようなものでも成分や効果は様々で、気をつけなければならない事も違います。
  それぞれ、使用期限・添付文章と一緒に保管することが大切です。

皆さんの自宅の薬箱は大丈夫ですか?ぜひ、定期的にチェックする事をお勧めします。

本当は怖い風邪薬

よく飲む風邪薬の意外な副作用の正体とは?

 

今年8月、厚生労働省が「一般用医薬品の使用後に、この5年間で24人が死亡した可能性がある」と発表。中でも最も多く死者が出ているのは「風邪薬」。非常にまれなケースですが、一度起きてしまうと深刻な事態は避けられません。

<症例>
※専門医の指導のもと実際の症例を参考に構成しています 

高田博美さん(48歳・仮名)

大学受験を来年に控える息子を持つ。
3年前から近くのスーパーで働いている。

 

 


11月下旬、のどが軽く痛み、熱が37度1分あったため、薬局でいつも飲んでいる風邪薬を購入し、服用。この時、説明書きは読むことなく捨ててしまいます。翌朝、のどの痛みも消え、ほぼ平熱になっていたため風邪薬は飲みませんでした。 

 

  症状① 高熱
ところが翌朝、目覚めると身体がひどくだるく、
この前より高い熱が出ていたため、
再びいつもの風邪薬を飲み、対処する事に。

 

  症状② 目の充血
そして数時間後のこと。
目がひどく充血していたのです。

 

  症状③ 痛がゆい発疹
さらに、ひじのあたりが痛がゆく、
赤い発疹ができていました。

 

  症状④ 発疹がヒリヒリ痛み広がる
その晩も熱は下がらず、
発疹がヒリヒリ痛み、広がっていました。

 

 

症状⑤ 顔中に発疹
翌朝、顔中に発疹が広がり、目は真っ赤に充血。

 

 

症状⑥ 唇がただれる
くちびるは異様に荒れ果てていました。

すぐさま緊急入院したものの、
症状の悪化が止まらず、集中治療室へ。
猛烈なスピードで生命の危険が迫っていたのです。

 

病名:スティーブンス・ジョンソン症候群
身体中の皮膚や粘膜が急速に破壊され、最悪の場合、死に至ることもある恐ろしい病。主な原因は薬の成分に対するアレルギー反応。体内に入った薬の何らかの成分に対し、免疫細胞が過剰な反応を起こし、大量に増殖。その免疫細胞が自らの皮膚や粘膜、内臓の細胞までも破壊し、死に至らしめてしまう。現在、日本では年間約400人がこの病を発症しているといわれる。

彼女の場合も、原因は飲んでいた風邪薬の成分だと考えられます。この病が何より恐ろしいのは、飲み慣れた薬であっても突然発症すること

スティーブンス・ジョンソン症候群を起こす可能性がある全ての薬には、説明書に必ず以下のような注意が書かれています。

 

服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性がありますので、
直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者にご相談ください


その一つにスティーブンス・ジョンソン症候群があり、その症状として…「高熱、目の充血、目やに、唇のただれ、のどの痛み、皮膚の広範囲の発疹・発赤、赤くなった皮膚上に小さなブツブツが出る、全身がだるい、食欲がない等が持続したり、急激に悪化する」と書かれています。

ところが彼女は、飲む量と回数だけ確かめると説明書を読まずに捨ててしまいました。そのため「高熱」「発疹」「目の充血」という病の大切なサインに気付けず重症化させてしまったのです。幸い博美さんは治療の甲斐あって回復しました。



薬で気をつけたい副作用とは?

市販薬でも処方薬でも細心の注意を払い、説明書きをしっかり読むこと。そして薬剤師の話を聞くことが大切です。それを怠ったために副作用の兆候に気づけなかった、特に多い2つの症例をご紹介します。

 

 

【風邪の症状と間違えやすい副作用】


Iさん(28歳・男性)は背中に悪寒が走り、熱が37度2分あったため、常備していた風邪薬を服用しますが、飲みなれた薬だからと説明書を読むことはしませんでした。鼻水は治まったものの熱は下がらず、ちょっとした倦怠感を覚えます。3日経っても熱は下がらず、乾いた咳が出るように。薬を飲み始めて4日目。階段を上がっていると、今までに経験したことのない息切れを感じ、激しい呼吸困難を起こして倒れ込んでしまいました。


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一体、彼の身に何が起こったのか?

病名:薬剤性間質性肺炎


肺には、肺胞と呼ばれる呼吸の際に酸素を取り込む組織があります。薬剤性間質性肺炎とは、薬の何らかの成分に体がアレルギー反応を起こし、肺胞の壁である「間質」という部分が炎症を起こす病。間質の炎症がひどくなるにつれ酸素を取り込むのが難しくなり、遂には呼吸困難をも引き起こしてしまうのです。この病も、市販薬・処方薬問わずに注意が必要。なぜなら、どの薬でどんな人がアレルギーを起こすのかはいまだ解明されていないから。


どうしたら早期に病に気づけるのか?

大事なのは、風邪に似た間質性肺炎の2つの症状を覚えておくこと。


「下がらない熱」 「乾いた咳」


Iさんの場合も、鼻水やくしゃみは治まったのに、熱が続いていました。あれが、間質性肺炎による発熱だったのです。

薬に添付されている説明書には、「これらの症状は、かぜの諸症状と区別が難しいこともあり、空せき、発熱等の症状が悪化した場合にも、服用を中止する」と明記され、その下には「5~6回服用しても症状がよくならない場合」も服用を中止するよう注意喚起されています。

つまり、1日3回服用を丸2日しても治らない場合、
別の病を発症している可能性がある事も視野に入れなければならないのです。

幸いIさんは懸命な治療により一命をとりとめ、職場に戻ることができました。


次の症例は、薬の服用だけでなく、蜂に刺されたり食べ物によっても起きる可能性がある病です。 

 


【服用後すぐに現れる症状】


ネイルサロンをオープンしたSさん(27歳・女性)は、ある日、一日の営業が終了して一息ついた時、頭全体に締め付けられるような痛み[片頭痛]を感じ、説明書きに目を通すことなく常備していた鎮痛剤を服用すると、30分後、痛みは消えていました。翌日、再び片頭痛が襲ったため鎮痛剤を服用。30分後、首に水ぶくれのようなじんましんが広がっていました。一時間後、再び首を見ると、じんましんはなくなっていました。この日の営業が終わる間際に再び薬を服用すると、30分後、まぶたや唇が腫れあがり、さらには呼吸困難に陥ったため、すぐに近くの病院へ運ばれました。


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彼女の身に一体何が起きたのか?

病名:アナフィラキシーショック


アナフィラキシーショックとは、劇症型のアレルギー反応。
外部から入ってきた異物に対し、体中の免疫システムが過剰に反応し、暴走を開始。全身で炎症が起こり、体中が腫れ上がってしまう。この病は、市販薬・処方薬など問わず、蜂の毒性や食べ物のアレルギーでも発症する厄介なもの。気づかず放っておくと、Sさんのように血圧低下や呼吸困難を引き起こしショック状態にまで陥ってしまうのです。

彼女が重症化を防ぐチャンスは無かったのか?
彼女は重要なサインを見逃していました。それこそが…最初に起こったじんましん。まだらで水膨れのように腫れ上がったじんましんこそが、まさにアナフィラキシーショックの初期症状でした。しかしSさんは、じんましんがすぐに消えた事で、薬からのものとは思わずに安心してしまったのです。

説明書には「服用後すぐにじんましんが現れた場合は服用を中止するように」と書かれています。
薬は、私たちの生活には無くてはならない大切なもの。だからこそ、用量、用法を正しく使うこと、その副作用を正しく知ることが何より大事なのです。

幸いSさんは、迅速な処置により元気に回復することができました。

 

 

横浜市立大学大学院医学研究科
教授 相原道子先生

アナフィラキシーショックは、風邪薬だけでなく、
解熱鎮痛薬でも起こることがあります。
1時間以内に意識がなくなる場合もありますので、
症状が出たら早目に病院を受診するようにしてください。

 

 

医薬情報研究所 医薬情報部門責任者
堀美智子さん
万が一、薬を飲んで副作用が起きた場合、
条件を満たせば、薬の副作用で発生した入院費等の
支給を受けることができる
副作用による健康被害救済制度」があります。
説明書に書かれていますので、確認しておきましょう。

薬の投薬による最新治療

51年間苦しみ続けた症状が改善!薬による最新治療を行う医療チームと患者さんに密着!

 

薬の投与で画期的な最新治療法がある」そんな情報を得て、東京女子医科大学病院を訪れました。ここの脳神経センターで最新治療を受けているMさん(49歳・男性)は、10年前に脳幹出血を起こして以来、身体全体がこわばり、言う事が聞かなくなってしまったといいます。これは、痙縮(けいしゅく)と呼ばれる筋肉が緊張し続けてしまう状態。何らかの影響で脳や脊髄が損傷すると、筋肉を緩める信号が出せなくなり、筋肉は常に力が入った痙縮と言う状態に陥ってしまうのです。Mさんが選んだのは、薬による画期的な治療法を受けるための手術でした。今では徐々に自力での歩行能力を取り戻し始め、自宅では手を使ってブログも書けるほど生活の質が上がってきているのです。 


この劇的な変化をもたらした治療法こそ…

バクロフェン髄腔内(ずいくうない)投与療法


この治療法は、薬を飲むのでも、注射するのでも無い全く新しい方法だと言います。
果たして、どのように薬を使うのでしょうか?

  推定5万人の患者が悩まされている重度の痙縮に
日本で初めて新しい治療法を用いたのは…
東京女子医科大学 脳神経外科
教授 平孝臣先生
平先生をはじめ6人のスタッフが
新しい薬治療を行っている。


痙縮に劇的な効果をもたらす薬「バクロフェン」。しかし、副作用などの問題もあり、先生は10年以上に渡り投与法を模索。そこで画期的な方法に出会います。それが、バクロフェン髄腔内投与療法でした。

 

 

使うのは、このポンプと呼ばれる機械。
この中にバクロフェンを入れ、
手術によって体内に埋め込んでしまうのです。

こうすることで、バクロフェンが脊髄に直接投与され、
他の臓器への副作用の心配が激減するのだといいます。

 

  専用のリモコンで薬の量を症状に応じて調節し、
24時間痙縮をコントロールしながら薬を効かせ続けます。
ポンプの薬が持つのは1ヶ月から3ヶ月。
薬が切れそうになるとアラーム音が鳴り、
薬の補充は注射で行います。

 

日本でこの治療が始まった2006年以降、全国では約700例、平先生率いる東京女子医大では70例の治療が行われました。しかし、未だこの手術を心待ちにしている患者さんも多いのです。


2012年11月11日。バクロフェン髄腔内投与療法を5日後に控えるKさん(51歳・男性)を訪ねました。Kさんは8カ月の早産で生まれた時、仮死状態となり、その影響か生後6か月で脳性麻痺を発症。以来、身体に不自由があるため車いすで生活し、現在は1日16時間ヘルパーの方にサポートしてもらいながら生活を続けています。以前はパソコンも指で打つことができましたが、徐々に筋肉のこわばりが悪化、現在では指も思うように動かず、口にした棒でしかキーボードが叩けない状態なのです。


症状が悪化し始めたのは4年程前。今までに無いほど酷い痺れや肩のこわばりが襲い始め、痛みのため排泄でさえ一人では出来なくなっていました。そして1年前、左足の膝下の異常なこわばりと痛みが彼を襲ったのです。そのため薬の量も増え、今まで飲んでいた精神安定剤に加えバクロフェンの錠剤が処方されますが、副作用が出たため中止しました。絶望の淵に追いやられていたKさんに一条の光が差し込むのは今年の初めの事。平先生のバクロフェン髄腔内投与療法を紹介されたのです。


■11月14日 事前の検査
バクロフェンの効果があるかどうか確かめる「スクリーニング検査」が行われました。実は人によって薬自体が効かない場合があるため、手術の前に確認が必要なのです。腰から脊髄に少量のバクロフェンを注射し、4時間後にどれだけ筋肉の緊張が取れているか確認。2回増量しても結果が出ない場合は効果がないとみて手術は行われません。検査の結果、効果が確認され、ポンプを身体の中に埋め込む手術の日が決まりました。


■11月16日 手術当日

  Kさんを担当するのは…
医療チームの1人である後藤真一先生


今回の手術は、お腹と背中両方から行います。まず、ポンプを埋め込むお腹の部分を約8センチ切ります。さらに、背中から薬が一番効く位置まで脊髄にカテーテルと呼ばれる管を挿入。今度はお腹側からも別のカテーテルを挿入し、背中から入れたカテーテルとつなぎます。後は、バクロフェンの入ったポンプをカテーテルに繋ぎ、お腹に埋め込むだけ。最大のポイントは、カテーテルを最も薬の効果が得られる場所に挿入し、固定する事。ずれてしまえば、効果は半減。手術をやり直さなければならないのです。

果たして、Kさんの痙縮はどれほど改善されるのか?
手術から5日後、病室にKさんの姿がありました。手足の痙縮がかなり緩和されているよう。先生によると、今後、突っ張りの状態など日常生活の中で様子を見ながら薬の増減を調節していくのだといいます。薬の新たな使い方が広がることで、多くの患者が救われる。今日もまた、1人でも多くの患者の症状を和らげたいと、東京女子医科大学の医療チームの戦いが続いています。

薬の危険な飲み合わせ

知らないと大変!間違えやすい薬の使い方とは?

 

<症例>
※専門医の指導のもと実際の症例を参考に構成しています 

小池良夫さん(68歳・仮名)

3年前に定年退職して以来、
月に3回ゴルフを楽しんでいる。
常備薬は、血圧を下げる薬、血糖値を下げる薬、
不整脈の治療薬、血液をサラサラにする薬の
合計4種類。

 


小池さんは、歩くと右ひざに鋭い痛みが走ったため、近所の整形外科を訪ねました。問診票には質問事項が細かくありましたが、「膝の痛みと持病は関係ないはず」と勝手に判断し、「治療中の病気はない」に丸をつけました。医師の診断は、変形性膝関節症。小池さんは過去におくすり手帳を作っていましたが、調剤薬局で新しく作ってもらい、湿布薬と鎮痛薬が処方されました。

 

おくすり手帳とは…
処方された薬の履歴をまとめたもの。調剤薬局などで無料配布されています。薬局に行く度、薬の情報がシールで貼られるので、薬剤師はその患者さんが現在、どんな薬を飲んでいるか?新しく処方する薬との相性はどうか?などをチェックできます。


小池さんは、おくすり手帳を一つにまとめないまま、毎日5種類の薬をのみ続けました。

  症状① 胸焼け 
症状② 食欲不振
整形外科に通い始めて1ヶ月後。膝の痛みもおさまり、
大好きなゴルフもできるように。
しかし、その頃から食事の度に胸焼けがして、
食欲もわきません

 

  症状③ 息切れ
さらに、ゴルフのプレー中、
息切れがして歩くのが辛いのです。

 

  症状④ めまい
その日の夜。
突然、激しいめまいに襲われ、
立っていることもできないのです。

 

  症状⑤ 吐血
さらに、大量の血を吐いてしまいました。
病院での検査の結果、
胃におびただしい数の潰瘍が発見されたのです。

 

病名:NSAIDs(エヌセイズ)による出血性潰瘍
NSAIDsとは、アスピリンやイブプロフェンなど炎症や痛みを抑えたり、熱を下げる効果のある非ステロイド性抗炎症薬の総称。有効な薬だが、注意すべきは副作用。胃酸から胃を守っている粘液の出を悪くしてしまうため、胃が荒れやすくなり、胃腸障害を引き起こすことがある。

用法・用量を守って服用すれば、ほとんどの場合、問題ありませんが、小池さんは気づかぬうちにあるミスを犯していました。

 

それこそが…
薬の間違った飲み合わせ


小池さんが飲んでいた薬の中にはNSAIDsが2種類含まれていました。1つは、血液をサラサラにするために飲んでいた低用量アスピリン。もう1つが変形性膝関節症の痛み止め。整形外科を受診した時、持病があるにも関わらず「治療中の病気はない」と回答し、調剤薬局ではおくすり手帳を提示しなかったためNSAIDsが重複して処方され、1ヶ月も用量をオーバー。そして胃の粘液は一気に減少し、裸同然の状態となった胃の壁を胃酸が直撃。胃がただれてしまい、胸焼けや食欲不振などの症状を招きました。

こんな状態では激しい痛みを感じるはずですが、なぜ痛みを感じなかったのか?実はこれこそがNSAIDsによる出血性潰瘍の落とし穴。NSAIDsは鎮痛作用のある薬。これを重複して服用したことで痛みを感じにくくなっていたのです。傷ついた胃の悲鳴に気づく事なく薬を飲み続けた結果、胃のダメージはさらに悪化。出血を伴う潰瘍がたくさん出来たため、貧血による息切れやめまいを引き起こし、吐血して倒れてしまったのです。

こうした重複作用による問題を防ぐため、1996年から病院や薬局で患者に配布しているのが「おくすり手帳」。しかし小池さんの場合、「おくすり手帳」をしまい込んだため、薬の飲み合わせをチェックすることができませんでした。おくすり手帳を正しく使うことが、薬の間違った飲み合わせを防ぐカギなのです。

 

 

消化器の専門家
筑波大学附属病院 光学医療診療部
病院教授 溝上裕士先生

危険な飲み合わせを防ぐためには、
おくすり手帳を正しく使うことが重要です。

 

市販薬にも効き目の強いNSAIDsが販売されていますので、市販薬を購入する時も、おくすり手帳を提示し、どんな薬を常用しているか薬剤師に伝えるようにしましょう。

携帯・スマホサイトでは、「正しい薬の使い方チェック」や、飲み合わせ、副作用なども検索できる「お薬辞典」を公開中!

 

『よく使う薬“NSAIDs”“低用量アスピリン”による胃潰瘍が増えている!』


市販薬でも処方薬でもよく使われている“NSAIDs”
“低用量アスピリン”と、注意すべき服用の仕方について
溝上先生に詳しく教えて頂きます!

健康チェック「正しい薬の使い方チェック」

   

あなたの薬の使い方は大丈夫ですか!?間違った飲み方を続けていると、薬が効かなかったり、副作用を経験したり、時には重大な疾病を見逃したりしてしまいます!質問に答えながら、正しい薬の使い方を身に付けていきましょう。

あなたの薬の使い方は大丈夫!?
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