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みんなの家庭の医学 <番外編> 今週の名医!ここだけのハナシ

番組に登場した名医・専門家が、放送では伝えきれなかった病の治療法や解消法をコミコミクリニック限定で詳しくお話しします。

日々進化し続ける! 乳がんの治療法 亀田総合病院 乳腺科 主任部長 福間英祐 先生

乳がんの治療法

  乳がんの治療には手術、放射線治療やお薬での治療などがあり、それぞれ大きく進歩しています。そのことすべてをお話ししたいのですが、字数の関係もあり、今回のコラムでは“乳がんの手術治療”についてお話します。

  最近では、乳がん検診が徐々に普及してきたことや、乳房の検査が進歩してきたこともあり、多くの小さな乳がんが見つかるようになりました。5mm以下の乳がんが見つかることも珍しくありません。
小さい段階で見つければ抗がん剤が不要になり、体の負担も少なく、医療費もずいぶん安くなります。しかし、5mmの大きさのがんも2cmのがんも、乳房を切ってがんとその周囲組織をともに切除する手術治療が必要です。検診で乳がんが早く見つかった場合でも、乳房を切除する治療は、センチネルリンパ節生検(乳がんのリンパ節転移を確認するための検査)とともに必要となります。

がんを凍らせる!?最先端乳がん治療

検診などで早く見つかったことに見合う新たな治療の開発をめざして、2006年に乳がんを切らないで治す治療を開始しました。その方法はがんをマイナス160度以下に冷却する「凍結療法」といいます。

  乳房に3mmの小さな切開(傷)をいれ、2.7mmの太さの細い針をがんの中心部にさします。約30分間がんを冷やし続けるとがんの細胞膜が破壊され、がんは死滅します。治療はこれで終了です。乳房を切除することはありません。冷却は痛みをとる効果もあり、少しの部分的な麻酔(局所麻酔)で、ほとんど痛みもなく終わり、当然、日帰りが可能となります。
  この治療を開始してから5年以上が経過し、40人の小さな乳がんを治療してきましたが、再発はゼロです。
  この治療(非切除凍結治療)の前には、手術と同じようにセンチネルリンパ節生検が必要ですし、治療の後には乳房への放射線治療も必要となりますが、乳房を切除しないので、乳房の変形はなく体への負担もすごく少なくすみます。
  しかし、非切除凍結療法はまだ実験的な治療の段階です。本当に一般的な治療になるには10年の経過をみて安全を確認する必要があります。乳がんの治療は日進月歩ですね。

(2011年9月)

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