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みんなの家庭の医学 <番外編> 今週の名医!ここだけのハナシ

番組に登場した名医・専門家が、放送では伝えきれなかった病の治療法や解消法をコミコミクリニック限定で詳しくお話しします。

アレルギーの原因を見つける! 食物とアレルギー かくたこども&アレルギークリニック 院長 角田和彦先生

食物とアレルギー

運動によって誘発されるアレルギー

  食べただけでは起こらず、食べ物と運動が重なったときだけに起こるアレルギー反応(アナフィラキシー)を「食物依存性運動誘発性アナフィラキシー」といいます。原因食品は、小麦、エビ、カニ、イカ、貝類など多数が報告されています。
この中で症例が多い小麦に関しては、診断上の注意が必要です。小麦の場合、小麦のタンパク質であるグルテンや、グルテンの構成タンパクであるω(オメガ)-5グリアジンが原因となることが最近の研究でわかってきましたが、一般的な小麦のアレルギー反応検査(IgE検査)ではグルテンを検査することができません。多くの例では、小麦のアレルギー反応が陽性、かつ、グルテンまたはω-5グリアジンが陽性で診断がつきますが、まれに小麦のアレルギー反応が陰性でも、グルテンまたはω-5グリアジンのみ陽性の場合があります。ですので、小麦が原因として疑われる場合には、グルテンやω-5グリアジンも調べる必要があります。

食物と花粉症

  花粉に含まれるタンパク質は、様々な植物にも含まれています。そのため、これらの植物(野菜や果物、豆、穀物)を生で多量に食べると、花粉のアレルギーと食べ物のアレルギーが重なり、花粉症が悪化します。しかし、そのことを逆に利用して、これらの食材をよく煮込んだ料理、発酵させた食材を日常的に食べることで花粉症の発病を抑え、花粉症の症状を軽減させる可能性があります。毒をもって毒を制す、花粉症のワクチンのようなものです。
例えば、煮込み料理、ポタージュスープ、ジャム、ケチャップ、ソース、果物の煮物、酢、しょうゆ、みそなどの食材は花粉のアレルギー症状を軽くさせます。特に、スギ花粉症の原因タンパクと同じものがトマトに含まれるため、トマトの煮込み料理やケチャップなどを普段から充分に食べることで、スギ花粉症が軽減される可能性があります。

魚とアレルギー

  魚アレルギーは子どもには多く見られますが、当院を受診した大人の方(50歳以上)で、魚を食べてじんましんなどのアレルギーを起こした人は、魚にアレルギーはなく、全員が「アニサキス」(魚に寄生する虫)のアレルギーでした。
  アニサキスの最終宿主であるクジラやイルカが生息している海域の魚類(アジやイワシなど)やイカには、アニサキス(幼虫)が高い頻度で寄生しています。アニサキスは魚やイカが生きている間、主に内臓に寄生しているため、内臓近くの肉内に存在する可能性が高く、宿主が死ぬと内蔵から筋肉内に移行します。
  予防としては、「アニサキスが寄生している魚を食べないこと」「腹側ではなく背側の肉を調理すること」「アニサキスが寄生できないような小さな魚(シラスなど)を食べること」が大切です。アレルギー反応は死んだ虫体でも起きるので、煮た魚、焼いた魚でもアレルギーを起こします。

様々な情報を私のホームページ「アレルギーっ子の生活」で詳しく紹介しています。

(2012年3月)

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