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みんなの家庭の医学 <番外編> 今週の名医!ここだけのハナシ

番組に登場した名医・専門家が、放送では伝えきれなかった病の治療法や解消法をコミコミクリニック限定で詳しくお話しします。

伊奈病院整形外科部長 高齢者運動器疾患研究所 代表理事 石橋英明先生

足腰の強さがあなたの未来を救います!
~ロコモティブシンドロームに気をつけよう~

内海桂子さん、宝田明さんは本当に凄い!

  7月9日放送の内海桂子師匠(90歳)、10月16日放送の宝田明さん(78歳)の「足腰の強さ」の解説を担当させていただきました。お二人とも本当に「もの凄い」足腰の持ち主でしたが、共通点が多いことにも驚きます。ちょっとご紹介します。

共通点その1 現役で活躍している
定年を迎えすることがなくなると、すっかり老け込んでしまうことが多いものですが、やはり現役で何かをやり続けるのは大切です。足腰はもちろん、心の元気さと脳の若さが保てます。

共通点その2 身体をよく動かす
年をとっても積極的に「外出する」「身体を動かす」「よく歩く」は大切です。内海さんや宝田さんのように、仕事だけでなく生活の中でもよく身体を動かすようにしましょう。

共通点その3 肉をよく食べる
年をとると、積極的にタンパク質を摂ることが勧められます。食事の中のタンパク質は分解されてアミノ酸となり、筋肉や骨のタンパク質の材料になります。良質のタンパク質は、やはり肉・魚に多く含まれています。少なくとも週に3日以上は、肉・魚を食べるようにしましょう。特に65歳以上の方、しっかり食べましょう。

その他の共通点
筋力が強い、筋量が多い、歩くのが速い、歩幅が大きい、姿勢が良い、などなどたくさん!

というわけで、本当に素晴らしいお二人です。ぜひ、皆さんも参考にされてはいかがでしょうか。

年をとっても足腰強く! ロコモティブシンドロームに気をつけよう!

  日本は、65歳以上の人が3000万人を超えて、ほぼ4人の1人は高齢者という超長寿社会になっています。その一方で、要支援・要介護や寝たきりの高齢者数も増え続け、現在では500万人を超えています。その原因は、20%以上(女性だけでいうと30%近く)が運動器の問題、つまり転倒・骨折や関節の病気が原因です。従って、ずっと要介護や寝たきりにならないで自分の足で歩くためには、足腰、つまり運動器を強く保つことがとても重要なのです。

“ロコモティブシンドローム”とは?
  ロコモティブとは、英語で“運動”とか“動く”を意味する言葉です。ロコモティブシンドロームは、骨や筋肉、関節などが年齢とともに弱くなって、膝や腰、骨の病気になったり、介護が必要になったり寝たきりになる危険の高い状態を意味します。略して“ロコモ”、日本語では“運動器症候群”といいます。
  筋力やバランス力が衰えると、膝や腰の病気が起きやすくなり、骨も弱くなります。すると体を動かさなくなり、さらに筋力やバランス力が衰え、ますます動けなくなってしまうという悪循環が起きるのです。怖いですね。

“ロコトレ”を始めよう!
  今日からでも、遅くありません。筋力やバランスをきたえる運動を始めましょう。続けると、膝や腰の痛みはやわらぎ、体の動きがだんだん軽くなります。骨も強くなります。ロコモの予防・改善には“ロコトレ”=“片足立ち”と“スクワット”が最適です。

【ロコモ予防! 片足立ち】
右足と左足でそれぞれ1分間ずつ、1日3回、片足立ちをします。転びそうな人は机や椅子などに手や指をついてやりましょう。

【ロコモ予防! スクワット】
椅子に腰かけるときのように、後ろに腰を引きながら膝の屈伸をします。膝がつま先より前に出ないようにします。ゆっくり、5回から6回のスクワットを1日3セットやりましょう。

  ウォーキング、水中歩行、テニスやグランドゴルフ、さまざまな体操やダンスもいいでしょう。どんどん体を動かして筋力とバランス力をきたえ、ロコモを吹き飛ばしてください! 40代、50代の人は、ジョギングやマラソンも良いでしょう。

運動はあなたの将来を救う!

  要介護・寝たきりの原因は、ロコモのほかにも、メタボリックシンドローム(放置・悪化すると脳卒中や心筋梗塞などの原因になります)や認知症が挙げれられますが、メタボの予防・改善にも「1に運動、2に栄養、3、4がなくて5に薬」と言われ、認知症の予防にも運動習慣が効果的と言われています。

  運動はあなたの未来を救ってくれるのです!ぜひ運動習慣をつけて、内海さん、宝田さんのような素晴らしい年の取り方を目指しましょう。

(2012年10月)

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