この記事は2011年9月時点の医療情報に基づいて書かれています。

名医による 症状別解消法 冷え性

「熱を作る」機能が低下している場合 ねつをつくるきのうがていかしているばあい 監修:東洋医学と西洋医学を駆使した不定愁訴治療のパイオニア 北里大学東洋医学総合研究所 漢方鍼灸治療センター 副センター長 伊藤剛先生

解消法

「熱を作る」機能に関わるのは、「代謝量」、「食事摂取量」、「運動量」、「筋肉量」など。
これらが低下して、体内で十分な熱が作られずに冷えが生じている可能性があります。

「熱を作る」機能を低下させる5つの原因


  • 1 基礎代謝低下:生命維持に必要な代謝量が低く、十分な熱を生み出せない。
  • 2 運動不足:運動によって生じる熱が十分でなく、代謝量も低下。
  • 3 筋肉量が少ない:筋肉量が少ないと、運動による熱を生み出しにくい。
  • 4 食事摂取量不足:食事摂取不足で熱エネルギー源が減ると代謝が低下する。
  • 5 消化吸収機能低下・下痢:食事を摂っても体内への吸収が悪く、熱に変えられない。

1 基礎代謝低下

基礎代謝は生命維持に最低限必要な代謝量のこと。
この基礎代謝が低い人は体全体の熱を生み出す力が少ないので、体温も低下しやすいと言えます。
この場合の基本的な解消法はなんといっても「食事」と「運動」です。

解消法


食事摂取量を増やす
食事摂取は基礎代謝を維持するためには最も大切な要素です。
無理なダイエットを長期間続けたり、それに伴って拒食症などになると、基礎代謝量は著しく低下し、低体温になってしまいます。
まずは3食きちんと食べる、バランスよく食べるといった通常の食事法を心がけることが大切です。
運動習慣を取り入れる
体を動かし筋肉や神経に刺激を与えることは低下している体の代謝を高める重要な手段です。
とはいえ、ジムに通ったりいきなりジョギングをするということではなく、「車よりも自転車」「自転車より徒歩」「こまめに家事をする」など。
できるだけ毎日の生活の中で体に負荷をかける(筋肉を使う)ことを意識してみて下さい。

!受診が必要な場合も

低体温、全身の冷え、慢性的なだるさ等の症状がある場合や、対処法を行っても冷えに改善が見られない場合、「甲状腺機能」が低下していることもあります。その原因として「甲状腺機能低下症」や「拒食症」などの場合がありますので、疑いのある方は一度病院などを受診して相談して下さい。
甲状腺機能低下症は「内科(内分泌)」、拒食症は「心療内科」か「精神科」が専門です。

甲状腺機能低下症:甲状腺という喉にある器官に何らかの異常が起こり、熱産生や代謝を促し体温調節している甲状腺ホルモンの分泌量が低下している状態。 拒食症:神経性食欲不振症と呼ばれている摂食障害の一つ。自分の身体に対するイメージが歪み、太っていると思いこみ、過度なダイエットを行う結果、激やせに伴い身体の様々なホルモン分泌も低下し、低体温も引き起こす病気。

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2 運動不足、3 筋肉量が少ない

これらに該当している場合、まず第一の対処法は運動量を増やすことです。
運動量を増やすことで、代謝が盛んになり、体が熱を作りやすくなります。
さらに筋肉を動かすことでも熱が生まれるので、熱の生産量が高まります。
また、どうしても運動出来ない場合は、食事でも熱が生まれやすい食事を摂ることも効果的です。

解消法


運動量を増やす
普段運動していない人が、いきなりジムに通ったり、激しい運動を始めても、大抵3日坊主になるケースをよく見かけます。
運動は軽度なものでいいので、毎日継続できるものがよいでしょう。
お勧めは、「車ではなく自転車にする」「エレベーターではなく階段を使う」、など普段の行動に少し負荷のかかる行為をプラスすることです。
タンパク質の多い食事を増やす
食事の摂り方でも熱の生産量を高めることが出来ます。
特に筋肉や体の組織の元となる「たんぱく質」は消化・吸収、分解・合成の段階で熱エネルギーを産生するため、食べるだけで体内に熱が生じます。その産熱量は、実に炭水化物の2倍も多く生まれるという研究結果があります。
一日に一品でも「肉類」「魚介類」「大豆」などでたんぱく質を多目に摂取する工夫をしましょう。
さらに、その際、野菜などから「ビタミン類」を摂ると、たんぱく質の合成を助けるため、熱を作る上でも効果的です。

※腎機能が悪い方は蛋白質制限が必要ですので注意が必要です。摂取可能なタンパク質量について医師(腎臓内科)に相談して下さい。

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4 食事量が少ない

通常食事は摂取されると体内で代謝され、約80%は熱エネルギーになります。食事摂取量が少なければ当然発生する熱量も少なくなるため、食事はまさに“燃料”の役割をしているのです。

解消法


食事摂取量を増やす
食事摂取量が少なくなる原因として、食欲の低下や食がもともと細いなどということもありますが、もっとも気を付けなければならないのは無理なダイエットです。
一般的に若い女性ではダイエット志向があるので、冷え性を招きやすいといえます。
1食の量が少なくても、出来るだけ3食、バランスよく食べることが大切です。きちんと食べて、ウォーキングなどの運動をすれば、代謝や熱生産量も高まるので、冷えも緩和され、不要な脂肪も付きにくくなります。
長期の無理なダイエットや拒食では冷えどころか「低体温」になってしまいます。冷えに悩みがあるなら、くれぐれも無理なダイエットはしないようにしてください。

※詳細は「熱を作る」機能が低下している場合の解消法(食事摂取量を増やす)を参照。

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5 消化吸収機能低下・下痢

胃腸の消化吸収機能が低下し、食事をしても栄養が上手く吸収できていないために、熱が作られにくくなっている可能性があります。

!受診が必要な場合も

程度が強い場合は、一度、内科(消化器内科)を受診し、胃腸の調子が悪い原因を検査したりする必要があります。治療では漢方外来を受診するのも良いと思います。

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