2012.08.15

医師が解説 性感染症(3) 尖圭コンジローマ

性感染症(3) 尖圭コンジローマ
北村邦夫 先生
日本家族計画協会クリニック所長

尖圭コンジローマは、HPV(ヒトパピローマウイルス)という人間にしか感染しないウイルスが性器や肛門に感染し、そのまわりに良性の大小のブツブツがたくさんできる病気です。これはHPVが粘膜や細胞を異常増殖させた結果、イボのようになってしまうのです。HPVは、すべての女性の約80%が一生に一度は感染しているという報告があるほどとてもありふれたウイルスですが、感染するウイルスのタイプによっては女性は子宮頸がん、男性は陰茎がんを引き起こすこともあります。2009年より日本でもウイルスの感染を予防するワクチンが発売・認定され、予防に期待がかけられています。

年齢別 尖圭コンジローマの患者数

グラフ:年齢別 尖圭コンジローマの患者数

出典:厚生労働省 感染症発生動向調査(平成24年4月現在・定点報告)

男女別 尖圭コンジローマの患者数の年ごとの推移

グラフ:男女別 尖圭コンジローマの患者数の年ごとの推移

出典:厚生労働省 感染症発生動向調査(平成24年4月現在・定点報告)

HPVってどんなウイルス? ~100種類以上の型がある!~

HPV(ヒトパピローマウイルス)は100種類以上のタイプがあり、大きく分けると尖圭コンジローマなど将来がんになる危険の少ない“低リスク型”と、がんになる危険がある“高リスク型”に分けられます。高リスク型は子宮頸がんや陰茎がんの原因となることが多く、中でもHPV16型とHPV18型と呼ばれる2種類は、子宮頸がんを発症している20~30代の女性の約70~80%から見つかっています。

低リスク型ヒトパピローマウイルス

尖圭コンジローマなど良性腫瘍の原因

高リスク型ヒトパピローマウイルス

子宮頸がんなど悪性腫瘍の原因

HPVは、多くはセックスの時に感染します。ということは、セックスの経験があるすべての女性に尖圭コンジローマや子宮頸がんの可能性があるということなのです。
すべての感染ががんにつながるというわけではないのですが、子宮頸がんは20代・30代の女性で最も多いがんなので予防がとても重要です。がんになるまでには、数年~十数年と長い時間がかかるので、定期的な子宮頸がん検診を受けていれば、がんになる前の状態(前がん病変)を発見し、治療することが可能です。また近年、尖圭コンジローマ、子宮頸がんともに予防ワクチンが認定されたので、ウイルスに感染する前に受ければかなりの確率での予防が可能となっています

どうやって感染するの?  ~コンドームを付けても感染する可能性がある尖圭コンジローマ~

セックス

HPV(ヒトパピローマウィルス)が皮膚や粘膜にできた小さな傷などから入り込み、感染します。また、ウイルスが広い範囲に広がっている場合、コンドームをつけていてもカバーできない部分が触れると感染する可能性があります。

母子感染

母親が尖圭コンジローマに感染していると、少数ではありますが、出産で子供が産道を通る時に赤ちゃんに感染し、喉にイボができる“呼吸器乳頭腫症”を発症してしまう可能性があります。この病気は再発率が高く、重症化すると気道閉塞により死に至ることもあります。若年に発症するほど予後が悪く、幼いながらも何度もイボを取り除く手術を受けるなど過酷な治療を受けることになります。

尖圭コンジローマ Q&A

イボができるまでどれくらい時間がかかるの??
感染してからイボが確認できるようになるまで3週間から8ヶ月ほどかかります。しかし、イボができてもかゆみや痛いなどの自覚症状がほとんどないため、人によっては知らないうちにイボの数が増え面積がどんどん広がってしまうこともあります。そうなると、コンドームでは防ぎきれない場合があるので注意が必要です。
オーラルセックス(フェラチオやクンニリングス)で喉には感染しないの??
性感染症については、いずれも、性器だけでなく口腔内への感染が認められています。口は第二の性器といわれていながら、フェラチオやクンニリングスが行われる際にあまりにも無防備だからです。エイズ予防にコンドームというメッセージがあるように、オーラルセックスでもコンドームを使用する習慣を身に付けて欲しいものです。

尖圭コンジローマにかかってしまうと


  • コミコミクリニックアーカイブ 女性特有の症状をチェック!!
  • コミコミクリニック アーカイブ
  • たけしの健康エンタテイメント! みんなの家庭の医学
  • たけしの健康エンタテイメント! みんなの家庭の医学

↑