2012.08.15

医師が解説 性感染症(3) 尖圭コンジローマ

どうやって予防するの? ~自分の性器を観察しよう~

~セックスデビューをする前にウイルスを予防するワクチンを受けよう!~

現在HPVウイルスを予防するワクチンは2種類あります。
対象は9歳以上の女性で、1回では十分な抗体ができないため、半年の間に3回(①初回接種 ②初回接種後2か月後(2価ワクチンは1か月後)③初回接種後6か月後)肩に近い腕の筋肉に注射します。
オーストラリアでは、2007年に国をあげてこのワクチンを若い女性に接種したことによって大幅にHPV感染を減らすことに成功しました。
しかし接種するときにすでにウイルスに感染していたり、感染によって出ている症状への治療効果はないので、セックスデビューする前にワクチンを受けること、またワクチンを受けても定期的に子宮頸がん検診を受け、早期発見に努めることがとても重要です。

ワクチンの種類

HPV2価ワクチン

    子宮頸がんの主な原因となる
    16型・18型
    を予防する

HPV4価ワクチン

    子宮頸がんの主な原因となる
    16型・18型
    尖圭コンジローマの主な原因となる
    6型・11型
    を予防する

ワクチンの効果はどれくらい続きますか?
ワクチンの効果がどのくらい続くのか、追加接種が必要かどうかなどについては、まだはっきりとわかっていません。臨床試験データとしては2010年7月現在、接種後8.4年までのデータが存在するため、この期間に関してはHPV 16型/18型ともに高い抗体価が保たれることが確認されています。
ワクチンの費用はどれくらいですか?
病院によって差があり、一回15000円~20000円が平均のようです。自治体によっては助成制度があるので、受ける前に自分の住んでいる地域に問い合わせてみましょう。

~パートナーと一緒に治療する~

尖圭コンジローマなどの性感染症はセックスを通してうつる病気 です。

①相手にセックスの経験がある
②自分自身にセックスの経験がある

①と②に当てはまれば相手や自分にまったく症状がなくても感染する可能性があると考えて当然です。内緒で自分だけ治療しても、相手も感染していた場合、再びセックスをすれば再感染してしまうというエンドレスゲームです。色々と複雑な気持ちもあるかもしれませんが、それはそれ。1歩先を考え、2人一緒の治療を優先させましょう。自分を守るのは自分自身です。人のせいにするのではなく、セックスをしたらお互いの健康管理は自分で責任を持ちましょう。相手の協力が必要ならきちんと話し合うべきです。相手は誰であれセックスをするということはそういったリスクを背負っているということなのです。

~自分で性器を観察する“性器自己検診法”~

ヘルペスや尖圭コンジローマなど性器に症状が出やすい性感染症は、日頃から鏡を使って注意してみていると、早期発見できることがあります。

お風呂で清潔にした後、観察する習慣をつけ正常な性器の状態を日頃からきちんと把握し、少しでも異常を感じたら病院やクリニックなどの医療機関で受診するようにしましょう。
またセックスの前には、相手の性器をよく観察することもとても大事です。

観察するポイント
  • □ 性器のかゆみや痛み
  • □ イボやただれ
  • □ おりものの臭いや色・量の変化
  • □ おしっこする時の痛み
  • □ 尿道から膿がでてくる

~コンドームをつける~

残念ながら尖圭コンジローマにおいては、コンドームをつけたからといってすべてを予防できるわけではありません。コンドームをかぶせたところ以外に、HPVウイルスがあれば感染する可能性は大いにあるのです。避妊や他の性感染症予防のためにもコンドームは必ずつけてほしいのですが、100%予防できないことをきちんと自覚した上でセックスしましょう。

~検診を受ける~

不特定多数の人とセックスをしている場合は特に注意して定期的に検査を受けるようにしましょう。
また症状がなくても、人生の節目に検査を受けるようにすると安心です。例えば、

  • ・パートナーが変わったとき
  • ・結婚するとき
  • ・子供を作るとき

などを機に検査を受けるようにしましょう。

コンドームの正しいつけ方

コンドームは今やコンビニでも手に入る一番身近な性感染症予防&避妊の方法の1つです。男の子がつけるアイテムですが、決して男の子まかせにせず、女の子が主導権をにぎるつもりでセックスする時はいつでもどこでも必ずコンドームを使用しましょう。今までつけなかった人も遅くありません。まずは恥ずかしがらずにコンドームを買って研究してみるのもいいでしょう。また実際にコンドームをつける時は暗い場合も多いと思います。そういう時でもつけられるようにしっかりと練習しましょう。きちんと相手の情報が得られるように明るいセックスを心がけることも大切です。

~コンドームをつける正しい手順~

①コンドームは相手の性器に触れる前、ペニスが勃起したらつけましょう。コンドームの表裏をよく確認し、コンドームの“精液だまり”を指でつまみ空気を抜きながらペニスの先にあて、毛を巻き込まないように根元まで巻き下ろします。この時包皮は根元にたぐり寄せておきます。
②根元にあるコンドームを包皮ごと先端方向に動かす。根元の包皮がぴんと張るまで動かします。
③動かした包皮を覆いながらコンドームを下ろしていきます。これで装着は完了です。

~コンドームをつける・とるタイミング~

コンドームをつける上で一番大切なのは、ペニスにつけるタイミングです。以下のことに注意をしてつけましょう。

コンドームをつけるタイミング

■性器に挿入する前、お互いが触れ合う前に絶対につけましょう。

少しでも直接触れてしまえば、まったく性感染症予防の意味をなしません。また避妊においては、射精する前にも精液はペニスから漏れ出しているので避妊の失敗にもつながります。仮にコンドームが破けた、外れた、腟内に残ってしまったなどに際しては緊急避妊法(性交後72時間以内に必要なお薬を飲む)があることを知っておきましょう。

■ペニスが勃起したらつけましょう。

無理に最初からつけても抜けてしまったり、ずれたりして予防効果はなくなってしまいます。

■ペニスを肛門に挿入する“アナルセックス”、口でペニスを愛撫する“フェラチオ”の時も
  コンドームは必ずつけましょう。

最近はフェラチオ用の味付コンドームなども売られています。

コンドームをとるタイミング

■射精後にすみやかに腟からペニスを抜きコンドームを処理しましょう

精液がこぼれないように一結びしポリ袋に入れて捨てましょう。挿入したまま余韻にひたったり、そのまま眠ってしまうと予防効果はゼロになってしまいます。

尖圭コンジローマQ&A 【予防編】

彼がコンドームをつけてくれません。どうすればいいですか?
セックスをする相手とは対等の関係のはずです。“望まない性感染症、望まない妊娠をしたくないから対策をしたい”ときちんと伝えましょう。“面倒”“しらける”“気持ちよくない”などと言って無理強いする男性は、あなたを大切に思っていない証拠。
またそこがきちんとクリアできていないのなら、あなた自身もセックスをしないほうがいいかもしれません。望まない結果にならないように自分を守れるのは、結局自分の強い意思なのです。

監修医師プロフィール

北村邦夫(きたむらくにお) 先生


自治医科大学医学部卒業後、産婦人科医として保健所など衛生行政の分野で実績を積み、1988年から日本家族計画協会クリニック所長を務める。
「思春期の性」「避妊」「性感染症」「不妊」などの悩みを中心に受けた相談はこれまでに15万件を数え、2002年から2年おきに実施している厚生労働科学研究の一環の「男女の生活と意識に関する調査」は、日本人の性意識・性行動調査として国内外の専門家やメディアから注目されている。
「セックス嫌いな若者たち」(メディアファクトリー新書)、「 専門医が伝える40代からの幸せ・セックス―あなたの『本当の快感』を探す旅へ」(中央公論新社)など著書も多数。

尾上泰彦(おのえやすひこ) 先生


川崎市川崎区の「宮本町中央診療所」 院長。

性感染症科(STD)泌尿器科、婦人科、皮膚科、肛門科、形成外科(性器)、などの診療・治療にあたっている。

略歴
日本性感染症学会評議員 、日本泌尿器科学会 ボーティングメンバー(評議員)
厚生労働省「HIV検査・検査体制研究班」班員、厚生労働省「HIV社会疫学研究班」班員(STDグループ)、日本大学医学部講師など

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