2012.09.05

医師が解説 性感染症(4) HIV感染症/エイズ

HIV感染症とは・・・?
HIVとは、Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)のことで、このHIVに感染することをHIV感染症と呼びます。HIVは、人の体を様々な細菌・カビ・ウイルスなどの病原体から守る免疫細胞である、Tリンパ球やマクロファージ(CD4陽性細胞)などに感染します。
エイズとは・・・?
HIVは免疫細胞に感染すると、免疫細胞の中でどんどん増殖します。
このため、体の中の免疫細胞が徐々に減っていき、普段は感染しない病原体にも感染しやすくなり、様々な病気を発症します。この状態を“AIDSAcquired Immune Deficiency Syndrome、後天性免疫不全症候群)”と言います。代表的な23個の病気があり、これらを発症した時点でエイズと診断されます。
近年のHIV感染者は減っているように見えますが、この背景には検査を受ける数が減ってきてしまっているということが考えられます。90年代、エイズは社会的問題として大きく取り上げられ注目されていましたが、現在はそれほどHIV感染に対する関心が薄くなってきてしまっているようです。HIV感染は今なお男性同士の性的接触による感染が多くを占めていますが、異性間の感染も減っていないという状況です。年代でみても、10代の感染から50代以上の感染まで幅広い年代が感染しています。また、症状に気付かなかったり、感染するような行為をしても検査を受けるのが怖くて放っておいたりして、エイズを発症してから感染が見つかるケースが増えています。今一度、早期発見、定期的な検査の大切さを再確認しなければいけない時期にきているのです。

HIV感染者およびAIDS患者の年次推移

グラフ:HIV感染者およびAIDS患者の年次推移

出典:厚生労働省

HIV感染者の感染経路の内わけ

グラフ:HIV感染者の感染経路の内わけ

出典:2011年 厚生労働省

どうやって感染するの? ~感染する行為、感染しない行為をしっかり把握しよう~

HIVは感染すると、血液、精液、先走り液、腟分泌液、腸粘液、母乳に多く含まれるようになります。粘膜や血管に達するような皮膚の傷に、HIVを含む体液が直接触れると感染の可能性があります。傷のない皮膚からは感染しません。このことからもHIVはくしゃみや握手、食事など日常生活の中で感染するようなものではないことがわかります。

主な感染経路

通常のセックス、オーラルセックス、アナルセックスなどセックスによる感染

最も多い感染経路です。性行為により、精液、腟分泌液等が粘膜(性器や肛門、口の中などの粘膜)や細かい傷口から、体の中に侵入することによって感染します。一見傷がないように見えても、挿入を繰り返すことによって目に見えない細かい傷はついています。特に肛門の粘膜は薄く傷つきやすいので、アナルセックスは感染しやすいと言えます。

注射針の共用による感染

注射針の共用(麻薬の回し打ち、医療現場による針刺し事故など)により血液が体内に入ることで感染します。

母親から赤ちゃんへの感染

妊娠中や出産時、出産後に血液などを通して感染することがあります。また母乳によっても感染の可能性があります。しかし、母子感染を予防する適切な対策をとれば、赤ちゃんへの感染率を0.5%未満まで低下させることができます。

HIV感染症/エイズ Q&A 【感染篇】

他の性感染症にかかっているとHIVにかかりやすい?
その通りです。危険性は非常に高まります。性器クラミジア感染症や淋菌に感染している場合HIVに感染する確率は2~5倍に、性器ヘルペスや尖圭コンジローマに感染していると、男性では10~50倍、女性では50~300倍にもなると言われています(家坂清子先生調べ)あらゆる意味で性感染症を引き寄せてはいけないことがわかります。
キスではうつらない?
体液の中でも唾液、涙、尿などの体液には人に感染させるだけのウイルス量は分泌されていないと言われています。お互いが口の粘膜が傷ついて血が出ていたりすれば、理論的には可能性はありなのですが、常識的に感染が成立するほどの出血は考えられないので、万が一をとって歯を抜いた直後で血が止まっていない同士のキスはやめたほうがいい、という程度だと思います。
感染の可能性が非常に低い行為
一緒に食事をする、ソフトクリームを舐め合う、汗・くしゃみ・咳がかかる、握手をする、顔をくっつける・同じお風呂やプールに入る、同じ蚊にさされる、同じタオルやヘアブラシ・化粧品を使う、同じ電話を使う、同じ便座に座る などは感染の可能性は心配無用です。

HIV感染症/エイズにかかってしまうと


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