診察室
診察日:2007年2月13日
テーマ: 夫婦で気をつける病気スペシャル
『本当は怖い妻の一言〜蚤の夫婦の悲劇〜』
『本当は怖い夫の無関心〜熟年夫婦に潜む罠〜』
『本当は怖い夫婦の食卓』

『本当は怖い妻の一言〜蚤の夫婦の悲劇〜』

Y・Kさん(男性)/53歳(発症当時) サラリーマン
結婚生活25年、毎日聞かされる妻のイヤミな一言に堪え、言いたいことも飲み込んできたY・Kさん。ある日、子会社への出向を命じられたことを妻に告げますが、妻は給料が減ることを嘆くだけでした。そんなY・Kさんに小さな異変が現れたのは、出向して2週間が経った頃。夕食中、またまた妻のイヤミな一言を我慢していたところ、胃のむかつきを感じたのです。自分では慣れない職場で気疲れしているせいと軽く考えていましたが、その後も異変は続きました。
(1)胃のむかつき
(2)歯が浮く感覚
(3)左腕のしびれ
ストレス性赤血球増加症 ⇒ 心筋梗塞
<なぜ、妻のイヤミな一言からストレス性赤血球増加症に?>
「ストレス性赤血球増加症」とは、ストレスが原因で血液が濃縮(ドロドロ血)、血液中の赤血球の密度が高くなり、心筋梗塞や脳梗塞の原因となることもある恐ろしい病気です。現在、40才以上の男性の10人に1人は、この赤血球増加の傾向にあると言われています。そんな状態にもかかわらず、度重なる「妻の一言」は、Y・Kさんの体をさらに蝕んでいきました。そのストレスが今度は肝臓を刺激。血液中のコレステロールを増加させ、喫煙など日頃の生活習慣もあいまって、動脈硬化を進行させたと考えられるのです。しかし、ストレスの多い世の中で、なぜY・Kさんだけがこんな事に?それは「自分さえ我慢すればいい…」と考えてしまう彼の性格にありました。人によって、ストレスの感じ方は千差万別です。しかし、Y・Kさんの場合は最悪のタイプ。ストレスをまともに受け溜め込んでしまう、最も影響を受けやすい性格だったのです。こうして日々ストレスを受け続けたY・Kさんの血管は、いつ心筋梗塞を起こしてもおかしくない状態にまで悪化。そして最後の瞬間、興奮したせいで、冠状動脈が一気に縮み、血管壁が破裂。そこに出来た血栓で血管が詰まり、ついには心筋梗塞を起こしてしまったのです。
『本当は怖い夫の無関心〜熟年夫婦に潜む罠〜』
Y・Yさん(女性)/50歳(発症当時) 専業主婦
一人息子が就職を機に独立してから、心にぽっかり穴が開いたようなさみしさを感じ始めたY・Yさん。夫を温泉旅行に誘っても断られたばかりか、息子がいないと夫婦の話題が何もないことに気づきました。1ヵ月後、やけに体の疲れを感じるようになったY・Yさん。更年期だから仕方ないと自分を納得させていましたが、異変はそれだけでは治まりませんでした。
(1)倦怠感
(2)食欲不振
(3)家事をする気がおきない
空の巣症候群(からのすしょうこうぐん)
<なぜ、夫の無関心から空の巣症候群に?>
「空の巣症候群」とは、結婚や就職といった子供の巣立ちをきっかけに発症する、母親特有の心の病です。子育てにまい進してきた女性がその役割を終えることで、大きな喪失感に襲われ、抑うつ状態に。最悪の場合、重度のうつから自殺を図ることもあります。その患者数は明らかではありませんが、50代以上の女性の2割から3割が発症する可能性があるとも言われています。ちょうど更年期にあたるこの世代の女性は、女性ホルモンの減少により自律神経が不安定な状態。そこに喪失感などの強いストレスが加わると、一気に自律神経が異常をきたす恐れがあるのです。Y・Yさんも、まさにその一人でした。しかし、子育てを終えたとき母親が感じる喪失感は、多くの場合、一時的なもの。重度のうつ状態にまで発展することはほとんどありません。ではなぜ、Y・Yさんは、重度のうつ状態になるまで悪化してしまったのでしょうか?その原因と考えられるものは、Y・Yさんの夫婦生活に潜んでいました。それが夫の無関心。Y・Yさんの夫は、彼女に母親としての役割だけを押し付け、妻として女性として愛情を持って接することを、長年に渡って怠ってきました。妻を名前で呼ぶこともなく、変わらぬ妻の気づかいに「ありがとう」の一言も言えず、Y・Yさんが心を込めて作った料理も、ただ当たり前のように食べるだけ。しかも、夫婦の絆を再び築き上げようとした妻の提案も、受け入れようとはしませんでした。そのためY・Yさんは、息子が巣立った喪失感を埋める事ができず、ついには自分の存在価値すらも見出すことができなくなり、重度のうつ状態にまで進行してしまったのです。その後、Y・Yさんは投薬治療を受け、順調に回復。夫の支えもあっって、半年後には元気な笑顔を取り戻したのです。
『本当は怖い夫婦の食卓』
昨年発表された厚生労働省の調査で、生活習慣病がこの5年間で悪化していることが判明。そこでこのコーナーでは、夫婦の食卓に注目。毎日の家庭料理が健康を損なうものになっていないかを検査するため、ゲスト患者の妻たちが普段作っている代表的な国民食である「カレー」のレシピを再現し、それらが、厚生労働省が推奨する栄養素を満たすものになっているかをチェック。チェックする栄養素は、生活習慣病に直結する「塩分」と「脂質」、日本人が最も不足している「野菜」と「カルシウム」の4項目と、総カロリー。


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奥薗流ヘルシーカレーライス