診察室
診察日:2009年7月28日
夏こそ危険!冷え症徹底改善スペシャル
テーマ:『本当は怖い夏の冷え〜冷房の落とし穴〜』

『本当は怖い夏の冷え〜冷房の落とし穴〜』

O・Kさん(女性)/31歳 主婦
9年前、ある大手銀行に就職し、キャッシュカードの事務処理を担当することになったO・Kさん。記録的な猛暑となったその年、銀行ではお客様が出入りするフロアを涼しくするため、建物一括管理のシステムで空調を24℃に設定。銀行の規則で制服の上に重ね着することが許されず、毎日、手足の冷たさに耐えながら、仕事を続けることになりました。数週間後、やけに身体がだるくなり、経験したことのない激しい頭痛にも襲われた彼女。お風呂に入って身体を暖めても、頭痛は治まらず、さらになぜか風邪をひきやすくなってしまいました。
(1)倦怠感
(2)激しい頭痛
(3)風邪を引きやすくなる
冷房病
<なぜ、O・Kさんは冷房病に?>
 「冷房病」とは、冷房の強い環境により体温を調節する自律神経の機能がみだれる病のこと。単に体が冷えるだけでなく、頭痛、肩こり、倦怠感、そして、風邪を引きやすいなどの全身症状が現れます。O・Kさんは毎日のように冷房の強い刺激を受け続けた事によって、この自律神経の機能が乱れてしまったのです。
 実際、彼女のような症例は、かなりの数が確認されています。一体なぜなのでしょうか?その原因こそ…「夏の温度差」
 私たちの自律神経は、夏になり暑さを感じると、体の中に熱を閉じ込めないよう、皮膚のすぐ下の血管を拡げ、熱を逃がしやすくします。逆に冬は外の寒さに熱を奪われないよう、血管を収縮させ体の熱を保とうとします。このように、人間の体は夏型と冬型、季節に応じて変化しているのです。
 しかし、体が夏型になっているにも関わらず、寒いと感じるほどの冷房下に長時間いると、自律神経は体の熱を奪われないように血管を収縮させ、冬型の体に変えようとしてしまうのです。ところが、一歩外に出れば猛暑。暑さを感じた自律神経は、再び体を夏型に戻そうとします。これを繰り返すうち、次第に自律神経が、今の季節が夏なのか冬なのか混乱し、機能を乱すと考えられています。
 今回O・Kさんは、イリスコーダーという目の瞳孔の動きで自律神経を調べる検査から、彼女の自律神経の機能がやや過敏になっていることが確認されました。そして今後は、漢方を中心とした治療を受ける事になりました。
夏に元気になるツボ