20231126(日) 放送

俳優でありながらあくなき“食の探究心”を持つ男、速水もこみちが、キッチンカーで日本全国を巡る!現地の人たちと触れる中で受けたインスピレーションをもとに、地元食材を使ったオリジナル料理を作り上げる食材探求ロードムービー『頂!キッチンSeason3』。

今回は福岡県飯塚市を巡り、福岡県で最古のブランド牛『筑穂牛』や、93歳のおばあちゃんが作る赤こうじを使ったオリジナルレシピを考案する。

今回の舞台は福岡県飯塚市 幻のブランド牛『筑穂牛』を全国に広めたいという生産者の思いを受け、速水がつくるレシピとは?

今回の旅の舞台は、福岡県の中央に位置する飯塚市。かつては長崎から輸入された砂糖を運ぶ長崎街道の宿場町として栄え、お菓子の製造が盛んになった。近年では砂糖の街としてのブランディングをめざし町おこしにも力を入れている。また寒暖差が激しく、肥沃な土壌に恵まれたこの街では、米やトマト、アスパラを初めとする質のいい野菜が栽培されている。

依頼人は、そんな飯塚市で筑穂牛を育てている『森本牧場』の森本義彦さん。筑穂牛は福岡県で最古のブランド牛。丹精込めたおいしい筑穂牛をもっと全国にアピールしたいという。『森本牧場』を訪れた速水は、さっそく筑穂牛と対面。すると牧場にクラシックが流れていることに気づく。これは牛をリラックスさせるためで、餌の時間に流すことで食欲増進にもつながっているという。地元の稲わらで作った繊維質の多い餌を与え、約20か月をかけ大切に育てているのも特徴だ。しかし、かつては30軒ほどあった筑穂牛の生産農家は、今ではわずか2軒に。筑穂牛は幻の牛と呼ばれ、その味と希少性が改めて注目されている。

シンプルに炒めた筑穂牛を試食した速水は、「あっさりしてるけど濃厚、歯ごたえがいいですね」と語り、「ジューシーなこの味わいは色々広がりがあるな」とインスピレーションを刺激された様子。続いて筑穂牛を扱うお店を訪ね、サーロインやフィレなどの部位を受けとると、「今回は筑穂牛と九州のスパイスをかけあわせ、ちょっと面白い料理を作ってみたい」と意気込む。

地元に伝わる味を若い世代に残したいと60歳で起業!93歳のおばあちゃんに心打たれた速水は、手作りの調味料をどう使うのか?

次に訪れたのは、地元の食材を使い、昔ながらの素朴で自然な味わいの調味料やドレッシングを作っている『野々実会』。93歳の長野さんは、地元に伝わる料理技法を若い世代に残したいと60歳で起業。手作りの「ゆずドレッシング」「こしょうみそ」「赤こうじ」などを販売している。そんな長野おばあちゃんからお手製の調味料の作り方を教わる速水。15歳の時に母親を亡くしてから料理を始めるようになったと語る長野さん。戦後の食糧難の時代に、サツマイモにメリケン粉を混ぜて炊いただけの料理を父親が黙って食べるのを見て涙したことがきっかけで、一つの材料で沢山の料理を作れるよう工夫するようになった。そして60歳になり、農家の集大成をしようと『野々実会』を結成したという。

長野さんと出会い、「昔のものをちゃんと受け継いで、守ってつなげていくハートをすごく感じた」と話す速水。今回、筑穂牛を使って作る“頂きグルメ”は、『ペッパーフィレ マデラソース』。「では皆さん、今日もお付き合いのほう、お願いします!」とお約束の台詞を決め、いよいよ調理にとりかかる。

試食をするのは、依頼者の森本さん夫妻。お二人が見守る中、速水はフィレ肉を塊のまま焼き、ピンクペッパーやグリーンペッパーを乗せ、さらにストウブ鍋でじっくり火入れを。一方、ニンニク、エシャロット、マッシュルームなどで作るソースには、長野さんお手製の赤こうじを入れ、コクと深みを出していく……。果たして、完成した料理を口にした森本さん夫妻の感想は?

さらに自宅でも簡単にできる速水流レシピも紹介。『ご家庭でも定番の料理・牛肉豆腐』、飯塚市の特産品である『ブロコッリーのステーキ』などを作る。実はこのブロコッリーの生産者である若手農家の集団『百笑』の畑を訪ねていた速水。『百笑』の皆さんも親子で試食に来て、『ブロコッリーのステーキ』を味わう。