Story

ストーリー

3

だからやめといた方がいいよ

写真 写真 写真 写真 写真

プレオープン中のホテルにやってきたのは、かつての小学校の卒業生、沙由里(小島藤子)。卒業生といえど、6年生のときに転校してきたため、小学校で過ごしたのは1年だけ。仲のいい友達がいるわけでもなく、30歳を目前に長年付き合った彼氏に振られ、ホテルへは一人で訪れていた。
周りを見渡すと、かつての小学校の思い出に浸る家族連れや友人たちのグループばかり。しかも、カップルから「写真を撮ってもらえますか?」とカメラを渡され、いたたまれないでいると、近くにいたカメラマン・新田(渡部秀)に助けられる。慣れた手つきで撮影する新田を横目に、居場所なくその場を後にする沙由里。
湖畔の美しい風景も、沙由里にとっては見慣れた地元の風景。傷心の沙由里は実家に帰る気にもなれない。仕方なくホテルのレストランで一人ランチをしていると、隣の席にカメラを手にした新田が案内されてきた。
「…お仕事ですか?」
「あ…ホテルの支配人と知り合いで、ホームページ用の写真を頼まれて…」
何気ない会話から二人は同い年だということがわかり、同世代の話題で盛り上がる。
ランチを終えた二人は、沙由里の案内で近くの山を散策することに。今まで何も感じなかった山頂からの地元の風景を、楽しそうに撮影する新田を見た沙由里は…。
そして、夜のホテルデッキには、お酒を手に語り合う、沙由里と新田の姿があって…。

2

ごめんね。さようなら

写真 写真 写真 写真 写真

時間を少しさかのぼり、今はホテルのプレオープン準備期間中。ホテルスタッフのチエ(清水くるみ)は、同僚スタッフらとともに着々と準備を行っていた。
そこには、新人スタッフでまだホテル業務に慣れていない仁野(本島純政)と、教育係で仕事がデキる先輩・渚(川津明日香)の姿もあった。実は人知れず仁野の自宅へと渚が夕飯を作りに行く仲。
お互いに好意を寄せていたが、一途に思いを伝え続ける仁野に対して、渚は「付き合うことが考えられない」と言うばかりで、付き合うまでには至っていない。
プレオープン中には、ホテルウェディングやミュージックビデオの撮影なども行われる予定で、仁野と渚もそれぞれの業務に携わっていた。そんな中で、仁野がミスをおかしてしまう。ミュージックビデオスタッフのホテル見学の日程を間違えてしまったのだ。生真面目な性格の仁野がホテルのバックヤードで落ち込んでいると、渚は励ましながらそっとキスをするのだった。
それでも仁野を大切に思っていながら「今は誰とも付き合えない」という渚。
縮まりそうで縮まらない仁野と渚の恋人までの距離――。
その理由は、渚が胸に秘めていた仁野に伝えることのできない“秘密”だった…。

1

世界で一番尊い歯磨き

写真 写真 写真 写真 写真

湖畔に佇む小学校をフルリノベーションしたホテルでは、卒業生や関係者を招待したプレオープンの初日を迎えた。フロントではホテルスタッフのチエ(清水くるみ)が宿泊客に対応しロビーには、すでに多くの人であふれていた。
そんな中、フロントへとやってきたのは、小学校の卒業生・佐々木(細田佳央太)とみく(莉子)。幼い頃からの幼なじみで、最近付き合い始めたばかりの二人は、初めてのお泊りデートとして思い出の地を訪れたのだった。
実は、いまだ手をつないだことさえない佐々木とみく。客室に入り、緊張するみくをよそに、佐々木はみくのその気持ちに全く気づかない。付き合う前から変わらないその態度に、みくはついモヤモヤしてしまう。そんな中、小学校当時のまま残されていた体育館へと向かうことに。
二人が小学生だった10年前と変わらない体育館を訪れた二人は、自然とバスケットボールで遊んだ当時に想いを重ねていく。だが、みくの一途な恋心と、恋に不器用な佐々木の想いは重ならない。
小学校時代の思い出とともに時間を過ごした二人。しかし、みくには心の隔たりばかりが残ってしまい…。