授業風景

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大阪市立光陽特別支援学校大阪市立総合医療センター分教室

2014年5月22日

授業風景51

「気象予報士の仕事について」

授業対象大阪市立光陽特別支援学校大阪市立総合医療センター分教室

今回伺ったのは大阪市立総合医療センターの中にある、大阪市立光陽特別支援学校分教室。いわゆる院内学級で出前授業を行いました。子供達は皆、医療センターに入院している小学校1年生から中学3年生までの患者さん。入院すると、治療には苦い薬や痛みなど辛い事が伴いがちです。また、兄弟や家族、友達とも自由に会えなくなり、外で遊ぶ事もできなくなります。
そんな子供達を支援するボランティア団体「あそぼっくる」からの依頼で出前授業を行う事になりました。
「あそぼっくる」は2000年、大阪市立中央青年センターで開催された「入院している子供に『あそび』を!」という連続講座の参加者の有志の皆さんで構成され、入院している子供達とあそびや楽しい時間を共有する活動を行われています。
私達も出前授業が、そんな子供達にとって「楽しい」かつ「ためになる」ものとなるよう、思いを巡らせました。
講師に迎えたのは気象予報士の清水とおるさん。テレビでも見る「天気予報のおじさん」が教室に現れて、子供達から喜びの声が上がりました。

病室の中からでも分かる天気の話

写真 年中、院内の気温は常に27度に保たれています。外に出る事が制限されている入院中の子供達は、なかなか天気や気温、季節を感じる事ができません。そんな入院中の子供達も共感できる天気の話を、と清水さんから提案されたテーマは「雲」
普段何気なく見ている雲は、よく見ると実に様々な表情を持っています。そして、それらは病室の窓から、いつでも眺める事ができます。雲は表情によって、すじ雲、おぼろ雲、くもり雲、にゅうどう雲、うす雲、きり雲、あま雲、いわし雲、ひつじ雲、わた雲と、10種類に分ける事ができるんです。特に見分け辛いのが「いわし雲」「ひつじ雲」「わた雲」の3種類。清水さんは、それらを見分ける方法を教えてくれました。まず片手を雲に向かってかざします。そして、その雲の大きさが、指一本でおさまるものを「いわし雲」片手の幅におさまるものを「ひつじ雲」片手の幅からはみ出すものは「わた雲」と呼びます。「いわし雲」は移動性低気圧が近づく際によく見られる事から、天気の悪化が予想できたり、「わた雲」はよく晴れた日に見られます。また、雲が南から北に流れる時は天気が崩れる事が多いそうです。雲の表情を読む事で、室内にいながら天気をより身近に感じる事ができるのです。まさに気象予報士ならではの授業でした。

20名の為だけの天気予報

写真 そして、今日の雲から見られる天気を予想して下さいとの問いかけに、「ではクラスの皆の為だけに天気予報をしましょう」と清水さん。気象庁の観測データを元に約20名のクラスの為だけに、天気予報ライブを行ってくれました。普段画面を通してしか見ない天気予報をリアルに見られて、子供達のテンションは最高潮。
そしてクラスの皆も天気予報を体験してみよう、という事で2名の子供にチャレンジしてもらいました。実際にオンエアでも使った天気図と原稿を元に気分は気象予報士です。写真
最後には児童のたっての希望で、小学部担任の三浦先生にもチャレンジしてもらいました。
実にスラスラ原稿を読む先生の雄姿に声援と拍手が飛び交い続けました。




みんなの感想
  • 清水さんが雲の見分け方を教えてくれた、手で雲の大きさを見る方法は病棟でもみんなしていました。とても役に立って嬉しかったです。
  • 「清水さんの最新の天気予報」が、テレビの中に入っているみたいで楽しかったです。

みんなの感想