各方面からオーダーの絶えない京都のママさん家具作家、戸田直美さん。彼女が生み出す家具の魅力とは・・・。今回は、インテリア雑誌や書籍が、いま注目の作家として次々と取り上げる戸田さんの仕事や活動を追いながら、“親と子をつなぐ家具”をテーマにした戸田さんの夢のカタチ。

京都東山のアトリエで様々な家具を生み出す戸田さんは、一人で「ポチテック」という家具ブランドを運営するママさん家具作家。「ポチテック」の“ポチ”は点という意味で、点と点、人と人、人とハコをつなぐようなモノ作りを目指している。そんな気持ちが彼女の家具にも表れており、「喫茶　六花」をはじめ、京都のオシャレなカフェやダイニングからのオーダーは絶えることがない。戸田さんの手による家具の魅力とは・・・。

「ポチテック」の名が広まるきっかけになったのは、彼女の代表作「お豆スツール」だ。豆に足が生えたようなユーモラスなデザインで、微笑ましい立ち姿。子どものみならず大人からも人気だとか。

そんな戸田さんのアトリエ「Ｔ−ｒｏｏｍ」は、建築や現代美術、音響など９人のアーティストが共有するスペースであり、そこはまるで現代の梁山泊かトキワ荘。戸田さんの家具はアーティストたちとの交流の中から創り出されていく。そして、家具作家であると同時に、１児の母であり、妻でもある戸田さん。子どもができたことをきっかけに、「家族が自然と集まって話が弾むような家具を作りたい」と思うようになったという。

日々、新しい注文に奮闘する戸田さん。今年の５月からは新たな取り組みも開始した。「家の中だけでなく、家族とともに外へ出る木工」「家族とともに転々とする家具」というコンセプトのもとに始めた「ティピティピ・プロジェクト」とは・・・。

そんななか、１軒のお宅からの注文が舞い込む。依頼の内容はまさに彼女のテーマでもある“家族を結ぶ家具”！自分に挑むかのような依頼に奮闘する戸田さんに密着した。