大阪を流れる土佐堀川のほとりに自転車ファンから熱い注目を集めるショップ「ベロ・ライフ・アンプ」がある。関西自転車ブームの火付け役になった一軒で、オーナーは大学卒業後この道一筋、自転車プランナーの小林宏治さん。彼が企画する自転車は、今、自転車業界の話題になっているのだ。というのも、そのすべてがオリジナルデザインでハンドメイド。今回は、小林さんの立ち上げた自転車メーカー「ＥＢＳ」の自転車の魅力を紹介。自転車作りに魅せられた男たちの“夢のカタチ”に迫った！

「ＥＢＳ」の工房がある京都・伏見。ここで１ヵ月に作られる自転車は、ブランドオリジナルのフレームをすべて手作業で組み立てるため、ごくわずか。製作メンバーは小林さんを含めて３人で、デザインを担当する小林さんのほか、設計担当の山本工さんとフレームビルダーの佐々木隆二さんが心と力を合わせて画期的な自転車を生みだしている。なかでも、フレームビルダーはすべてのフレームを手作業で組み立てる職人のことで、現在の日本では数少なくなった職人の一人でもある。

そんな「ＥＢＳ」の名を世に知らしめたのは、目を見張るほど大きな荷台が付いた、通称“ワークバイク”と呼ばれる、荷物を運ぶために作られた自転車。その発展形として誕生した“ワーク”は、どこか懐かしさと温かみを感じさせる人気の一台だ。

「ＥＢＳ」には様々なカスタムメイドの依頼が舞い込む。自転車を使って書類などを届けるメッセンジャーサービスの会社「京都　メッセンジャーかぜ」は、バッグで運ぶ荷物に限界があるため、もっと多くの荷物を運べる自転車をリクエスト。そこで、小林さんが考えたデザインは、ワークバイクの荷台をアレンジしたもので、トラックのような幌をかけるニュータイプ。はたして、どんな自転車が完成するのか！？

さらに、女性をターゲットにした新作自転車作りに密着。初めて挑む女性用の自転車に試行錯誤を重ねながら完成させるまでを追った。