若くして「ミシュランガイド」で星を獲得し、美食家たちの間で話題の蕎麦料理店「隆兵そば」。店主であり、若き蕎麦料理人の中村隆兵さんは蕎麦をコース料理で表現する。今回は、これまでの蕎麦のイメージを覆す、中村さんの蕎麦を基本にした究極のコース料理を紹介しながら、２０１１年の幕開けにふさわしい新コース開発に密着した。

京都・桂離宮のそばにたたずむ「隆兵そば」は、わずか１０席の小さな蕎麦屋。だが、普通の蕎麦屋ではなく、店主であり、蕎麦料理人の中村さんが供するのは、蕎麦をベースにしたコース料理だ。出されるのは、蕎麦のもつひなびた味わいを奥ゆかしく引き立てる枯淡の料理の数々。「コースそのものがハーモニーになっているような蕎麦料理を作りたい」という中村さんのこだわり抜いた蕎麦コースを紹介した。

究極ともいえる蕎麦コースを作る中村さんには、師匠の存在があった。丹波篠山の山奥にひっそりとたたずむ「ろあん松田」の松田さん。弟子をとることが少ないうえ、弟子が店を開くことはさらに稀な松田さん。そんな師匠のもとで蕎麦作りを学んだ中村さんが師匠の教えについて語った。

そして、２００４年の７月に桂に店をオープン。さらに、２０１０年は中村さんにとって大きな転機となった。それは、「ミシュランガイド京都・大阪・神戸２０１１」で星を獲得。一気に周囲の注目を浴びることとなる。 そんな中村さんが２０１１年の新しい幕開けを飾るにふさわしい新たな蕎麦コースの開発に挑戦！テーマは、「日本料理」ではない「日本の料理」だという。中村さんが語る、その意味とは？そして、唯一無二の新コース作りの現場に密着。発酵料理にヒントを得た新しい蕎麦コースがついに完成した！