今年８月の開店以来、行列の絶えないラーメン店「ストライク軒」が大阪の天神橋にある。店の看板メニューは、２人のラーメン職人が作った２種類の新世代ラーメン。それぞれの自信作をぶつけあう２人の職人がコラボした店で店長を務めるのは、ラーメンに憧れつづけた元トラック運転手の川東裕臣さんだ。今回は、男手ひとつで愛娘を育て、一度はあきらめたラーメンの道に再び挑む川東さんの奮闘ぶりを追った！
看板メニューの２種類のラーメンを野球にたとえると、まっすぐに王道をいく醤油味の「ストレート」と、進化系の塩味「シンカー」。ふたつの味がコラボすることで、「ストライク軒」の世界が出来上がる。「ストレート」と呼ばれる醤油味は、東京の路地裏の名店をリスペクトした昔懐かしい中華そばの美味しさ。海鮮料理店「マッシュアップ」の店主、芦田さんが下町の店を食べ歩いて研究を重ね、自分の味を完成させた。一方の「シンカー」は塩味のスープの中に優しい甘味が隠れ、女性客にも人気の味。中崎町に店を持つラーメン職人、実藤さんが手がけており、麺にもこだわった一品だ。
情熱あふれるラーメン職人が出会い、意気投合したことから生まれた「ストライク軒」。店の店員募集に応募し、やって来たのが川東さんだった。それぞれの味を完璧に再現できるよう猛特訓し、店長として２人から店を任される。ラーメン職人が夢だったという川東さんは、一人娘を育てるため、一度は夢を諦めたものの、人生に悔いは残すまいと決意。新たにラーメン職人の道を歩きはじめた。
そして、川東さんが次なる一歩を踏み出す。それは、先輩２人と同じように、自分のオリジナルラーメンを作ること。トラック運転手時代に全国のラーメン店を巡り、お気に入りになったのが白湯醤油。職人になってから、ずっと温め続けてきたレシピを試作しはじめる。さらに、京都の人気ラーメン店や製麺所でヒントをもらい、味を追求しオリジナルラーメンを完成させた！