大阪・寝屋川市にあるパン屋「ブレッドスタイルソプラノ」は独創的なパンで評判の店。季節の野菜や和の食材を大胆に組み合わせたオリジナリティあふれるパンが日々、生み出されている。そんなパンを作るのはパン職人でオーナーの宮田顕さん。今回は、宮田さんの独創的なパン作りを紹介。レストランからの依頼で新たなパンの開発に挑む姿を追った。
「ブレッドスタイルソプラノ」が営業するのは、週末の３日間。店にはユニークなパンが豊富に並んでいる。なかでも、宮田さんのこだわりのひとつが野菜を使ったパン。唐辛子やゴーヤ、キャベツなど野菜の味を生かしたパンはお客さんに好評だ。また、和の食材を積極的に使うのも大きな特徴。洋のパンと和の食材の融合にこだわり、ついには桜餅やどて焼きを使ったパンまで作ってしまった。さらに、究極ともいえるチャレンジだったのが“お節パン”。一口サイズの菓子パン風のメニューに仕上げたお節パンは大好評。
そんな大胆な発想で、日々、パンの可能性を追求する宮田さん。買い出し先で新作のアイデアが浮かぶこともあるという。新作作りに欠かせない場所のひとつ、和歌山県紀の川市にあるファーマーズマーケットを訪れ、様々な食材を購入。今回は中華料理で使われることが多いえん菜にインスピレーションを刺激され、新作に挑んだ。
寝屋川生まれの寝屋川育ちという宮田さんは、子どもの頃からパンが大好きで、大学時代に「ドンク」でバイトし、卒業後はそのまま就職。パン職人の道を歩み、およそ１０年働いた後、「他にないパンを作りたい」と独立した。店の営業は週３日だが、レストランやカフェ、保育園、病院などに卸すパンも作っており、大忙し。そんな宮田さんには両親の手助けが欠かせない。開店２か月で客足がぱったり途絶えたときも、支えてくれたのは両親だった・・・。
今では、寝屋川市からの依頼でパン教室を開催したり、小学校でパン作りを教えたりと、様々な活動をしている宮田さん。レストランやカフェからの依頼でパンの商品開発も積極的に行っている。北新地で５店舗を展開する「シャンパン食堂」にはバゲットを提供しているが、オーナーから今年２月にオープンした「スタンドシャン食」のパンの開発依頼を新たに受ける。シャンパンと餃子を楽しむ店で、餃子に合うパンを作ってほしいというのだ。宮田さんが試作を重ね、餃子に合うパンを完成させた。