瀬戸内海に浮かぶ風光明媚な小豆島に予約殺到のイタリアンレストランがある。島ならではの食材を活かしてイタリアンを作るのは、６年前にＩターンした渋谷信人さん。料理だけでなく、仲間たちとベーカリーやジェラート店をオープンし、島を盛り上げようと奮闘する渋谷さんに密着。新たに女性養豚家とコラボし、新作料理に挑む姿を追った。

渋谷さんの料理が楽しめる「リストランテ・フリュウ」は、島外からのアクセスがしにくい小高い丘の上にあるうえ、営業はディナーのみで、料理はシェフのお任せコースだけ。それにもかかわらず、観光客や地元の常連客でいつもいっぱいだ。

山形県出身の渋谷さんは、様々な職を経験した後、２８歳のときに東京・六本木のオーガニック・イタリアン「チャオベッラ」で、修行を始め、その後、兵庫県西宮市の名店でも腕を磨いてきた。いつか、食材に恵まれた環境の良い場所で独立し、店を持ちたいと思っていたところ、家族旅行で訪れた小豆島に魅せられたという。オリーブとレモンが目の前にあり、魚介類も新鮮な小豆島はイタリアの田舎町のようだと、Ｉターンを決意。そして、瀬戸内海を見下ろせる小高い丘に店をオープン。

渋谷さんの料理は小豆島の食材を活かしたイタリアン。仕入れ先の中には、渋谷さんと同じくＩターン仲間で、農家カフェを営みながら無農薬で野菜を作っている夫婦がいる。

過疎化が進む一方で、年間１００人を超す移住者も受け入れている小豆島。そんなＩターン仲間のほか、島で育った人やＵターン組など、渋谷さんは島を盛り上げたいという人たちとの交流も欠かさない。そんな交流の中から生まれたのが、島で唯一の酒蔵とコラボし、オープンしたベーカリーだ。酒米の山田錦を使ったコッペパンで作るコメコッペサンドを販売している。さらに、東京から移住してきた夫婦と共同でジェラート専門店をオープンするなど、小豆島を盛り上げようと、人の輪を広げている。

そんな渋谷さんの次なるコラボの相手は小豆島生まれの女性養豚家。豚にストレスをかけない養豚を実践する彼女のポークを使い、渋谷さんが新作のポーク料理に挑んだ。新たな料理を完成させ、仲間たちを招いての試食会の模様も紹介した。