月〜金曜日 21時54分〜22時00分


古代史ゾーン 

 伊勢から大和にかけての地域に残る歴史遺産は、いわゆる古代社会の祭祀(さい し)に関係するものや律令国家に関わるものが多い。今回はこの古代史の部分にスポ ットを当ててみた。


 
幻の宮・斎宮  放送 3月6日(月)
斎王宮阯碑 伊勢神宮の西10kmの所にある明和町には、七世紀後半の天武天皇時代から南 北朝時代まで約660年にわたって「斎宮」と呼ばれる宮があった。斎宮は天皇の即 位ごとに伊勢に派遣され、伊勢神宮に仕える斎王の御殿と官人の役所があった所。斎 王は未婚の内親王または女王が選ばれた。660年の間に64人の斎王が都から派遣 され、斎宮で神に仕えた。
 斎宮には斎王に仕える女官が約70人、官人や事務を扱う人々が約700人程いた と見られている。その御殿は壮大、華麗で威容を誇っていたと言われている。
(写真は 斎王宮阯碑)

いつきの宮歴史体験館 明和町の近鉄斎宮駅付近は「斎宮」と呼ばれる地名だが、斎宮がどこにあったの かわからず「幻の宮」として語り継がれていた。昭和45年(1970)、住宅団地 造成をきっかけに事前発掘調査が行われた。その結果、掘立柱建物群跡や陶器・ 土器類などが多数出土し、斎宮の存在が明らかになった。発掘調査された所は斎宮跡 の一部で、その後の調査で斎宮の範囲は東西2km、南北700m、約140ha におよぶ広大な地域におよぶことがわかった。
 斎宮跡は国の史跡に指定され、ここには「斎宮歴史博物館」や「いつきのみや歴史体験館」 などがある。体験館では入館者の中の希望者から1日3人を抽選で選び、当時の衣装 の十二単(じゅうにひとえ)や直衣(のうし)を身につけてもらえる。
(写真は いつきの宮歴史体験館)


 
斎宮歴史博物館  放送 3月7日(火)
土馬(平安時代) 三重・明和町の斎宮跡に十二単(じゅうにひとえ)の曲線と伊勢の海の波をデザ インに取り入れた優美な外観の「斎宮歴史博物館」がある。斎宮跡の発掘調査の出土 品の紹介と斎宮跡の保護を目的に、遺構を傷つけないように特殊な工法を用いて、斎 宮跡に建てられた。
 館内には発掘調査で出土した緑釉(りょくゆう)陶器、土馬、陶硯(とうけん) などが展示されている。マルチスクリーンによる映像では、当時の暮らしぶりや斎王 制度などを紹介している。
(写真は 土馬(平安時代))

緑釉陰刻文皿 斎王制度は飛鳥時代の天武天皇の時代に確立され、天皇が代わるごとに伊勢へ未 婚の内親王や女王を斎王として、斎宮に派遣して伊勢神宮に仕えさせたもので、南北 朝時代まで660年間続いた。この間に64人の斎王が派遣された。占いで斎王に選 ばれた女性は、親、兄弟らから引き離され、3年間、精進潔斎した後、大勢の 供をつれ、5泊6日をかけて伊勢・斎宮まで旅をした。この斎王群行は華麗な行列 で、その道中の町や村では大変な話題になった。
 斎王に選ばれたた女性が日本書紀、源氏物語、伊勢物語などに取りあげら るなどのエピソードも多く、これらも映像で紹介している。
(写真は 緑釉陰刻文皿)


 
神話伝説の山里  放送 3月8日(水)
墨坂神社 榛原は交通の要所として古代から人の往来が多かった。特に伊勢街道筋は伊勢参 りの人々で大変なにぎわいを見せ、宿場町として栄えた。神武天皇の東征にまつわる記紀伝説の遺跡、万葉史跡など古代史に彩られた山里。
 東征に向かう途中、熊野で道に迷った神武天皇の軍隊を道案内したというのが武角 身命(たけつぬみのみこと)。山野を行く姿が勇猛で、あたかも烏が飛ぶようだった ので八咫烏(やたがらす)の名を賜った。この武角身命を祭ったのが八咫烏神社で慶 雲2年(705)創建と言われている。賀茂氏の祖先神で京都・賀茂御祖神社も同じ 武角身命が祭神。
(写真は 墨坂神社)

鳥見神社 崇神天皇の時、疫病が流行した。天皇に「宇陀の墨坂の神に赤色の盾と矛を祭 り、逢坂の神に黒色の盾と矛を祭れ」と夢のお告げがあった。お告げの通りにすると 疫病は治まったと古事記にあり、墨坂神社は崇神天皇のころからある由緒ある神社と 言われている。緑の中に映える朱塗りの本殿は、奈良・春日大社の本殿を譲り受けて 移築した。
 鳥見山の頂上近くにある鳥見山公園は勾玉池を中心に神武天皇聖跡伝承地顕彰碑や 万葉歌碑などがある自然公園。春には約1000本のツツジが咲き競う。
(写真は 鳥見神社)


 
大和茶発祥の地仏隆寺  放送 3月9日(木)
仏隆寺石室(平安前期、重文) 茅ぶきの民家が点在する榛原の山里にひっそりとたたずむのが仏隆寺。嘉祥3年 (850)に空海の高弟・堅恵によって創建されたと言われる宇陀地方の古刹。山門 へ続く石段は「大和三名段」のひとつに数えあげられている。本堂には開祖・堅恵大徳像 があり、境内には堅恵の墓と言われる平安時代の珍しい宝形造りの石室がある。石室 の奥には鎌倉時代の五輪塔が安置されている。ほかに元徳2年(1330)の銘があ る十三重の石塔や仏画などの寺宝も多い。本尊は十一面観音菩薩立像。
(写真は 仏隆寺石室(平安前期、重文))

茶臼 寺へ登る石段脇には、奈良県の天然記念物に指定されている樹齢900年と言わ れる山桜があり、春には四方に伸びた枝いっぱいに見事な花をつける。秋には参道の 石段の両側に咲くヒガンバナも素晴らしいと言う。
 仏隆寺は大和茶発祥の地とも言われている。空海が中国・唐から帰国したとき持ち 帰った茶の種子を、開祖の堅恵が境内で栽培させたのが始まりと伝えられている。以来、大和茶として 奈良県内で栽培されており、年代的にもわが国で最初の茶栽培ではないかと言われ る。寺には空海が唐から持ち帰ったとされる石の茶臼もある。
(写真は 茶臼)


 
石上(いそのかみ)神宮 放送 3月10日(金)
石上神宮楼門(1318年鎌倉時代、重文) 天理市の山の辺の道近くの石上神宮は、日本最古の神社と言われている。御神体 は布都御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)と言う神剣。神武天皇の東征の時、この剣で 賊を平定したと言われ、長らく宮廷にあったが、崇神天皇がこの地に埋めて禁足地にし たのがこの神社の始まりと伝えれている。明治7年(1874)、宮司が政府の許可 を得てこの禁足地を発掘調査したところ、数多くの勾玉類、武器、装身具などが出土 した。
 神社には古代から多くの武器類が保存されていた。大和朝廷の武器庫の役目を果た し、朝廷の軍事担当だった物部氏が総氏神としてこの神社を護っていた。
(写真は 石上神宮楼門(1318年鎌倉時代、重文))

七支刀(伝 369年、国宝) 鎌倉時代前期の建立と見られる拝殿は国宝に指定されている。拝殿としては宇治 上神社の拝殿と共にわが国で最も古いものである。また、摂社出雲建雄神社拝殿も国 宝で、石上神宮の近くにあって今は廃寺となってしまった内山永久寺の鎮守・住吉神社の 拝殿を大正3年(1914)に現在地に移したものだ。
 古くから石上神宮に伝わる国宝の七支刀(しちしとう)は、長さ約75cmで鹿の 角のように左右にそれぞれ3本の支刀がある特異な形をした刀。刀身の表裏に61字 の金象嵌(きんぞうがん)文字が刻まれている。この銘文から朝鮮の百済王から贈られたものと見られ、当時の日朝関係を物語る貴重な資料と言える。
(写真は 七支刀(伝 369年、国宝))


◇あ    し◇
斎宮跡・いつきのみや歴史体験館 近鉄斎宮駅下車すぐ。
 
斎宮歴史博物館 近鉄斎宮駅下車徒歩10分。
八咫烏神社 近鉄榛原駅からバス高塚下車5分。
墨坂神社 近鉄榛原駅下車徒歩10分。
仏隆寺 近鉄榛原駅からバス高井下車30分。
石上神宮
 
JR・近鉄天理駅下車徒歩30分。
JR・近鉄天理駅からバス石上神宮前下車。
◇問い合わせ先◇
明和町観光協会 0596−52−7112
いつきのみや歴史体験館 0596−52−3890
斎宮歴史博物館 0596−52−3800
榛原町広報課 0745−82−1301
八咫烏神社 0745−82−2046
墨坂神社 0745−82−0114
仏隆寺 0745−82−2714
石上神宮 0743−62−0900

◆歴史街道とは

     日本の歴史の舞台を尋ねながら、日本文化の魅力を楽しみながら体験できる
ルートのことです。
     伊勢・飛鳥・奈良・京都・大阪・神戸の歴史都市を時流れに沿ってたどるメインルートと地域の特徴を活かした8本のテーマルートが設定されています。

 

@・・・ひょうごシンボルルート   
A・・・丹後・丹波伝説の旅ルート
B・・・越前戦国ルート              
C・・・近江戦国ルート              
D・・・お伊勢まいりルート         
E・・・修験者秘境ルート           
F・・・高野・熊野詣ルート         
G・・・なにわ歴史ルート           

    歴史街道計画では、これらのルートを舞台に
  「日本文化の発信基地づくり」
  「新しい余暇ゾーンづくり」
  「歴史文化を活かした地域づくり」
を目指し,
    官民188団体によりソフト・ハード両面の事業が推進されています。

◆歴史街道テレフォンガイド

     テレビ番組「歴史街道〜ロマンへの扉〜」と連合した各地の歴史文化情報を提供しています。
                  TEL:0180−996688    約3分 (通話料は有料)

 

◆歴史街道倶楽部のご紹介

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