月〜金曜日 21時48分〜21時54分


神戸・六甲山 

 六甲山は、神戸、芦屋、西宮各市の北部を東西に約50kmにわたって連なる連峰。大阪湾を眼下に見下ろす素晴らしい眺望が楽しめ、山中には原生林、渓谷などの自然が豊富で、植物園や牧場、ゴルフ場、別荘、保養所などの観光、娯楽施設も整い、関西のリゾート地、行楽地として親しまれている。


 
六甲山牧場  放送 9月11日(月)
牧場風景 スイスの山岳牧場をモデルに昭和25年(1950)にオープンしたのが六甲山牧場。約126haの牧場に北欧風の牛舎や赤レンガのサイロが点在し、乳牛12頭、 ヒツジ186頭、ヤギ16頭、3頭のポニーなど馬5頭、ロバ1頭、ウサギ35頭、アヒル6羽、アイガモ4羽、ガチョウ1羽が飼育されている。186頭のヒツジは自然の中に放牧され、のんびりと牧草をはんでいる。
 六甲山牧場は、観光牧場的な色彩が強い高原牧場で、訪れた子供たちが動物たちとのスキンシップで親しみを深めることができ、馬場ではポニーの背にまたがり乗馬が楽しめる。
(写真は 牧場風景)

チーズ料理 牧場内に昭和62年(1987)神戸チーズ館がオープンした。アルプスの農家風建物の館内では、チーズの製造工程がわかる地階のチーズ工場が見学できる。
 チーズ館2階のレストランでは、新鮮な搾りたての牛乳からの手作りチーズを使った料理が味わえる。 1階の展示ホールでは、チーズとウールの文化と歴史がわかりやすく解説されている。 また、売店では神戸チーズ(カマンベール)を販売しており、土産品として人気があ る。
(写真は チーズ料理)


 
六甲高山植物園  放送 9月12日(火)
サギ草 六甲山は、海岸線からわずか6kmで標高1000m近い高さの山になる。年平均気温が9度で神戸市内に北海道があるようなものだ。六甲高山植物園はこの自然環境 を生かして、標高865mの六甲山中に昭和8年(1933)に“植物学の父”と言われた牧野富太郎博士(1862〜1957)の指導で、わが国初の高山植物園として開園した。
 園内には、六甲山系の植物をはじめ日本国内の高山植物、ヒマラヤなど世界各国の高山植物約1500種が栽培されている。高山植物が花をつける最盛期は5月ごろで、わが国の高山植物の代表で“高山植物の女王”と言われるコマクサなどが可憐な花を咲かせる。
(写真は サギ草)

プリンスブリッジ 六甲高山植物園には昭和33年(1958)に天皇が皇太子時代に訪れられたのをはじめ、昭和46年(1971)に浩宮(現皇太子)、昭和56年(1981)には昭和天皇がそれぞれ訪れられている。天皇が皇太子時代に訪れられた時に、園内に架けられた橋「プリンス・ブリッジ」が名所になっている。
 六甲高山植物園の建設を指導した牧野富太郎氏は、高知県出身の植物学者で、多くの図鑑や著作を残し、その業績は高く評価されている。特に、牧野氏の植物画の描写は細 密を極めており、植物画家としても優れた才能を持っていた。
(写真は プリンスブリッジ)


 
六甲山ホテル  放送 9月13日(水)
六甲山ホテル 阪急グループの創始者・小林一三氏(1873〜1957)は、自然の緑があふれる六甲山にやすらぎとくつろぎの場を作ろうと昭和4年(1929)に六甲山ホテルを創設、開業した。最初は、避暑を兼ねた夏場だけの営業で小林氏を中心にした社交の場として利用されていた。
(写真は 六甲山ホテル)

ヘヴンリーオラトリアム その後、落ち着いた六甲山ホテルの雰囲気と、六甲山の四季折々の自然を楽しむ 多くの人たちが利用するようになった。大阪、神戸からわずかな時間でこられ、神戸の100万ドルの夜景が楽しめるロマンチックスポットとして四季を通じて人気が高い。
 ホテルに付属している六甲山ヘヴンリーオラトリアム教会では、毎日曜日の礼拝や結婚式が行われている。また、教会の聖歌隊から発展した女声合唱団「エコ・エレガンテ」の美しい歌声が結婚式などでは聞ける。英国に関係深い六甲山にちなんで、3年前から「六甲山ホテル英国フェア」が開かれている。今年も、10月1日から31日まで、数々の楽しいイベントが計画されている。
(写真は ヘヴンリーオラトリアム)


 
神戸ゴルフ倶楽部  放送 9月14日(木)
記念のゴルフボール 日本で初めてのゴルフ場「神戸ゴルフ倶楽部」を作ったのは“六甲山の開祖”と言われるイギリス人貿易商のアーサー・H・グルーム氏(1846〜1918)。六甲山の別荘で友人たちと週末を楽しみながらの団らんの中でゴルフが話題になった。
 グルーム氏は「六甲山にゴルフ場を作ってみよう」と思い立ち、明治34年(1901)に4ホールのゴルフ場を作った。2年後に9ホールになり、神戸ゴルフ倶楽部が誕生した。倶楽部の開場式では、当時の兵庫県知事・服部一三氏が始球式をした。この始球式のボールは、今も倶楽部に保存されている。
(写真は 記念のゴルフボール)

クラブハウス 当時のコース作りは大変な作業で、手鎌で笹や雑草を刈り取ったり、木の根を掘り起こして取り除き、大きな石は穴を掘って埋めるなどした。グリーンも芝が育たなかったため山砂を固めたサンドグリーンだった。
 最初のうちはゴルフをするのは外国人ばかりだったが、そのうち日本人も加わるようになり、日本人女性もプレイを楽しむようになった。
 グルーム氏は、明治元年(1868)に長崎・グラバー商会から、開港したばかりの神戸に派遣されてきた。日本人女性と結婚した後、神戸で貿易会社を作り、明治28年(1895)に六甲山に初めての別荘を作り、六甲山の開発に先べんをつけた。日本で死去したグルーム氏は遺言通り妻の生家の墓地に埋葬され、日本人と同じ仏教の戒名がつけられたほどの日本びいきだった。
(写真は クラブハウス)


 
魚屋道(ととやみち)  放送 9月15日(金)
一軒茶屋石碑 現在の六甲山は、登山道のほかにドライブウエイを含め多くの道路が縦横に走り、 ケーブルカーやロープウエイなどの交通機関も整備され、関西を代表するリゾート地、レジャー地となっている。
 六甲山の登山道の中には古い歴史を持つ古道がある。神戸市東灘区から芦屋市との境界付近を登り、最高峰六甲山の東側の一軒茶屋の前を越えて有馬にいたる魚屋道がそのひとつ。「ととやみち」の呼び名は、明治以後になってからのようだが、江戸時代にはすでに神戸から有馬に通じる六甲越の道があったことは記録にも残っている。神戸、芦屋の浜にあがった魚を最短距離の六甲越で有馬に運んでいたことから「ととやみち」の名称が生まれたのだろう。
 (写真は 一軒茶屋石碑)

ビードロ館内 魚屋道は、今はハイキングコースとして整備され、休日ともなればハイカーたちが六甲山の自然を楽しみながら有馬温泉へ向かって歩いている。一軒茶屋も当時の場所にあり、ハイカーたちが一息入れている。
 最高峰の六甲山の西側にガラスアートの工芸品やグラスなどを展示、販売する「六甲ビードロ館・プリズム」がある。ビードロ館では、ワインなどの空き瓶をリサイクルして、オリジナルなオブジェを作る体験工房が面白い。空き瓶を高熱で溶かしながら自分の好みの形に仕上げるもので、初めての人でも、少し手ほどきを受ければできるそうだ。ハーフボトル1000円、フルボトル1200円の体験料で、予約はいらない。
(写真は ビードロ館内)


◇あ    し◇
六甲山牧場・神戸チーズ館阪急王子公園下車、摩耶ケーブル、ロープウエイを乗り継ぎ摩耶三条駅下車、山上バスで六甲山牧場下車。
六甲高山植物園JR六甲道駅、阪神御影駅、阪急六甲駅からバスで六甲ケーブル下駅へ、ケーブルに乗車し六甲ケーブル山上駅で下車、山上バスで六甲高山植物園下車。
六甲山ホテル阪急六甲駅からホテル行きシャトルバス(1時間に1便・無料)。        
六甲ビードロ館「プリズム」JR六甲道駅、阪神御影駅、阪急六甲駅からバスで六甲ケーブル下駅へ、ケー ブルに乗車し六甲ケーブル山上駅で下車、山上バスで十国展望台下車。
◇問い合わせ先◇
六甲山牧場・神戸チーズ館078−891−0280 
六甲高山植物園078−891−0366 
六甲山ホテル078−891−0301 
六甲ビードロ館「プリズム」078−891−0256 

◆歴史街道とは

     日本の歴史の舞台を尋ねながら、日本文化の魅力を楽しみながら体験できる
ルートのことです。
     伊勢・飛鳥・奈良・京都・大阪・神戸の歴史都市を時流れに沿ってたどるメインルートと地域の特徴を活かした8本のテーマルートが設定されています。

 

@・・・ひょうごシンボルルート   
A・・・丹後・丹波伝説の旅ルート
B・・・越前戦国ルート              
C・・・近江戦国ルート              
D・・・お伊勢まいりルート         
E・・・修験者秘境ルート           
F・・・高野・熊野詣ルート         
G・・・なにわ歴史ルート           

    歴史街道計画では、これらのルートを舞台に
  「日本文化の発信基地づくり」
  「新しい余暇ゾーンづくり」
  「歴史文化を活かした地域づくり」
を目指し,
    官民188団体によりソフト・ハード両面の事業が推進されています。

◆歴史街道テレフォンガイド

     テレビ番組「歴史街道〜ロマンへの扉〜」と連合した各地の歴史文化情報を提供しています。
                  TEL:0180−996688    約3分 (通話料は有料)

 

◆歴史街道倶楽部のご紹介

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歴史街道推進協議会