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公演情報

エフゲニー・キーシン ピアノ・リサイタル

お知らせ

11月6日(土)アンコール曲
J.S. バッハ(ブゾーニ編曲):コラール前奏曲『いざ来たれ、異教徒の救い主よ』 BWV.659
モーツァルト:ロンド ニ長調 K. 485
ショパン:12の練習曲 Op. 25-10
ショパン:ワルツ第12番 ヘ短調 Op. 70-2

[ピアノ]エフゲニー・キーシン

日時 2021年11月6日(土) 15:00 開演 14:00 開場
会場 ザ・シンフォニーホール
料金 A 21,000円 B 17,000円 C 13,000円 D 9,000円
一般発売日 2021年9月26日(日)
優先予約日 2021年9月24日(金)
プログラム J.S.バッハ(タウジヒ編):トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565
モーツァルト:アダージョ ロ短調 K.540
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第31番 変イ長調 op.110

ショパン:マズルカ第 5番 変ロ長調 op.7-1
ショパン:マズルカ第14番 ト短調 op.24-1
ショパン:マズルカ第15番 ハ長調 op.24-2
ショパン:マズルカ第18番 ハ短調 op.30-1
ショパン:マズルカ第19番 ロ短調 op.30-2
ショパン:マズルカ第24番 ハ長調 op.33-3
ショパン:マズルカ第25番 ロ短調 op.33-4
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ op.22
お問い合わせ先 ABCチケットインフォメーション
06-6453-6000

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ザ・シンフォニーホール
[新型コロナウイルス感染拡大防止/ご来場のお客様へホールからのお願い]
https://www.symphonyhall.jp/?p=21368

★緊急公演レポート★
10/28(木)の川崎公演を皮切りに、所沢、大阪、東京、名古屋で待望のリサイタルを行うエフゲニー・キーシン。
音楽ライター・ピアニストの長井進之介氏による10/28(木)ミューザ川崎シンフォニーホールの公演レポートをお届けします。


作品の奥深くにあるものを描き出すピアニスト、エフゲニー・キーシンの音楽

 常に輝きと感動を与えてくれるエフゲニー・キーシンの演奏に私がはじめて出会ったのはベートーヴェンの「月光ソナタ」のCDであった。それまでに聴いたこともないような鮮やかなタッチ、ドラマティックな表現で一気に心を鷲掴みにされたことを今でも覚えている。それからすっかり彼の音楽の虜となり、あらゆるディスクを集めてキーシンの演奏を聴き、生演奏にも接してきた。
なぜこんなにも彼の音楽に魅了されるのか。それは常にみずみずしい感動に出会えるからである。旋律はもちろん、たった一つの音の中にも様々な想いが詰まっており、耳を傾けずにはいられないのだ。
 そんなキーシンの生演奏に久しぶりに触れることができた今回のリサイタル、最初に演奏されたのはバッハ=タウジヒの「トッカータとフーガニ短調」(BWV565)。華麗な装飾音に彩られた技巧的な編曲で、ピアニスティックな効果を発揮する楽曲になっているのだが、むしろキーシンの演奏は、ピアノからオルガンの重厚な響きを創り出していく。散りばめられた装飾音も、技巧の鮮やかさではなく、楽曲に込められた想いを翻訳して伝えてくれるかのようであった。それに続くモーツァルトの「アダージョロ短調」(K.540)は前曲とは対照的に徹底して終始繊細な音色を聴かせ、真摯な祈りの世界を展開。その余韻の中、前半の最後、ベートーヴェンの「ピアノソナタ第31番変イ長調」(Op.110)が始まった。第1楽章のテンポ設定はかなりゆったりとしたもので驚いた。というのも、この曲の主題は旋律が単音であり、フレーズも長い。一度発音すれば弦楽器のように音を持続できないピアノではかなり難しいものになる。しかし会場全体に響き渡るキーシンの音色は、豊かに歌を響かせていく。またこの遅めのテンポによって、この楽曲から美しさ以上の様々な感情の起伏や続く楽章への布石といったものがじっくりと聴こえてきたため、“嘆き”を乗り越えて勝利宣言するかのようなクライマックスへ至る流れが立体的に見えてきたのであった。
 後半はショパンのマズルカが7曲(Op.7-1、Op.24-1〜2及びOp.30-1〜4)で開始。ここでは左手が刻むリズムにも多彩な音色の変化が加えられることで、踊り手の表情まで見えるような生き生きとしたステップとなる。その上でルバートを駆使した旋律が奏でられるので、舞曲としての確固とした存在感は保ちつつも、より深くショパンの心の声に耳を傾けた演奏として聴こえてくる。プログラム最後の「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」(Op.22)では、どんな一音も聞き漏らしたくないと思わせる輝かしく美しい音色と幅広いダイナミクス、鮮やかな指さばきが混然一体となった演奏によって、さらなる進化を予感させる演奏を聴かせてくれた。
 圧倒的な演奏に会場全体は熱気に包まれ、声こそ出さないものの、割れんばかりの拍手とスタンディングオベーションで感動と感謝を伝えていた。それに応えたキーシンの4曲のアンコールもまた、心を打つあたたかい演奏であった。

音楽ライター・ピアニスト 長井進之介


(2021.11.2up)
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他の追随を許さない完全無欠のピアニズム
〜バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、そしてショパン〜

エフゲニー・キーシン ピアノ・リサイタル

 ピアノの帝王、キーシンが今年の10月10日で50歳を迎えます。彼の初来日は1986年、15歳でした。15歳の時から至上のピアニズムを誇ってきたキーシンに対して、「さあ今からが円熟期!」などと言ってもピンときませんが、しかし、きっと50歳を迎えないと考えないことを帝王キーシンも考え始めているに違いありません。
 ひとつのプログラムをワンシーズンで何度も弾くキーシン。“50歳の年のコンサート”のために彼が熟考したプログラムの、彼の哲学をぜひ皆様それぞれで感じていただければと思います。
 前半はバロック・古典の神髄、バッハ〜モーツァルト〜ベートーヴェンというクラシックの源流を。後半はショパンのDNAと言っても過言ではないマズルカと、キーシンのテクニックが華やかに薫り立つ「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」をお届けします。前半と後半の対比が楽しみなプログラムです。
 キーシンのピアノ、時には作曲家の個性よりもキーシンの唯一性の際立ちを感じてしまうこともある気がします。全ての音がこれ以上望めないレベルで極上の位置に配され、ニュアンスは完璧にコントロールされています。誰も真似することのできないエフゲニー・キーシンのピアニズム。そして誰も到達することのできないレベルへ踏み込もうとしているのは間違いありません。

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