ラヴェル生誕150年へ向け、今、伝えたいラヴェル、そしてリスト。
チョ・ソンジン ピアノ・リサイタル　
〜2015年 第17回ショパン国際ピアノ･コンクール 第1位受賞〜

　ショパンコンクール優勝からおよそ８年、世界各地の有名ホールでリサイタルを行うなど、意欲的に活動を続けるチョ・ソンジン。2018年以来となるザ・シンフォニーホールでの待望のソロ・リサイタルに選んだのはラヴェルとリスト。
　前半は、2025年に生誕150年を迎えるラヴェル。古典的形式を重んじながらも魅力的な旋律と繊細な響きで綴られた「ソナチネ」。シューベルトのワルツをモチーフに作曲されたという「高雅で感傷的なワルツ」。そしてラヴェルの湧き出る情熱が感じられる傑作であり難曲でもある「夜のガスパール」。ストラヴィンスキーから“スイスの時計職人”と評される程、精緻に積み重ねられたラヴェルの世界をご堪能ください。
　後半は、リストの「巡礼の年　第２年『イタリア』」。リストがマリー・ダグー伯爵夫人と滞在したイタリアの地で出会った、ラファエロ、ミケランジェロの芸術作品やダンテの叙事詩『神曲』などの文学作品に刺激を受けて作曲された７曲からなり、第１番はラファエロの絵画に、第２番は墓碑を飾ったミケランジェロの彫像にインスピレーションを受け、そして『ダンテ・ソナタ』とも呼ばれる第７番は、「神曲」《地獄篇》のすさまじい情景が音で描かれており、数々の超絶技巧曲を書いたリストの作品の中でも難曲のひとつといわれています。
　チョ・ソンジンの透明感とダイナミズム溢れる演奏で贈るラヴェルとリスト、どうぞご期待ください。