江戸時代から箱根七湯のひとつとして知られる芦之湯温泉。この地で創業１６６２（寛文２）年より源泉を守り続けるお宿「鶴鳴館 松坂屋本店」を訪ねる。

昨年７月に“３４５年目の大改革”と銘打ってリニューアル。
歴史ある木造の佇まいの玄関を入ると、わらを塗りこんだ土壁のモダンなロビー。
案内されたメゾネットの客室は、モダンなしつらえにマイ露天風呂と足湯付きで、贅沢な滞在が約束されている。リーズナブルに利用できる和洋室や和室も人気。

お宿自慢の温泉は、敷地内で湧出する源泉を館内すべての湯船にかけ流す贅沢さ。
さすがは、源泉を守り本物の温泉を伝える「源泉主義」の宿。
天気や気温の変化によって、エメラルドグリーンや白濁と色を変える力強い温泉をマイ露天風呂で思う存分堪能する。

夕食はオープンキッチンのカウンターがある食事処「えん」で。まずはカウンターで、お造りにする本日漁獲の小田原港や真鶴港直送の魚をチョイス。カウンターで選んだ魚以外にも旬の地魚のお造りがつくなど、旬の食材を贅沢に使った季節を感じさせる創作和食に大満足。
食後はお洒落なバー｢箱根山｣で軽く一杯頂く。

源泉を守り続ける老舗旅館が生み出したモダンな空間で、極上の一時を過ごす。

「若旦那の庵」と名付けられた囲炉裏の間は、寛ぎと集いのスペース。
読書をしたり、インターネットで調べ物をしたりと自由に使える。朝はセルフサービスのコーヒーが用意される。

客室棟は渡り廊下でつながれているが、途中、歴史的価値のある古道が敷地内を通るため、それを避けるよう渡り廊下はいったん地下にもぐり、また地上に現れる。