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杉田水脈議員に33万円の賠償命令 SNSで「ずさんな経理」との発言は「社会的評価を低下させた」と認定 大学教授らの訴え一部認める 大阪高裁

05/30 17:41 配信

 自民党の杉田水脈・衆議院議員に、SNSなどで研究内容を中傷されたなどとして、大学の名誉教授ら4人が損害賠償を求めた裁判の控訴審判決で、大阪高裁は杉田議員の一部の発言が名誉毀損にあたると判断し、4人のうち1人に対し、33万円を支払うよう命じました。

 訴状などによりますと、ジェンダー論などを専門としている大阪大学の牟田和恵名誉教授ら研究者4人は、国の助成を受け、慰安婦問題などに関する共同研究を進めました。

 この研究について、杉田議員はSNSなどで「ねつ造」と指摘したほか、牟田さんが研究費を期間を超えて使用しているとして「ずさんな経理」と発言したといいます。

 4人は、このような発言が名誉毀損にあたるとして、1100万円の損害賠償などを求めて提訴しました。

 一審判決で京都地裁は「意見ないし論評に過ぎない」として訴えを棄却し、教授らが控訴していました。

 大阪高裁は30日の判決で、杉田議員の「ずさんな経理」という発言について、牟田さんが使用期間を超えて研究費を使った事実はなく「牟田名誉教授の社会的評価を低下させた」と認定。

 杉田議員に、慰謝料など33万円を牟田さんに支払うよう命じました。

 ほかの3人の訴えは、いずれも棄却しました。

(牟田和恵名誉教授)「研究生命を危うくされたことに対して言及されていないことは、非常に残念。全く尊重されていない。議員の立場を重視されていて、非常に残念」

 杉田議員は判決に対し「当方の大部分の主張が認められたものと受け止めている。なお、一部認められなかった点については今後精査する」とコメントしています。

最終更新:05/30 17:41

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