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「再生インク使用できなくしたのは違反」リサイクル業者の訴え棄却 キヤノンのインクカートリッジめぐる裁判 大阪地裁

06/02 19:19 配信

 プリンターのインクカートリッジを巡り、プリンターの設定で、リサイクルしたインクを使用できなくしたのは独占禁止法違反に当たるなどとして、再生インクの製造・販売会社、エコリカがキヤノンを訴えていた裁判で、大阪地裁はエコリカの訴えを棄却しました。

 エコリカは2003年から、大手メーカーのプリンターに使う使用済みインクカートリッジを回収し、インクを充填して純正品の2割から3割安く販売してきました。

 大手メーカーのうちキヤノンは2017年、この年から販売した新しい型などを含むプリンターに、エコリカを含むリサイクル品のインクを使うと、インクが充填されているにもかかわらず残量がないように表示されるよう設定を変更しました。

 エコリカは、この設定によって消費者がエコリカのインクカートリッジを使用できなくしていて、「消費者の選択の自由を制限し、公正な競争を阻害する」独占禁止法違反にあたるとして、キヤノンに対し、リサイクルインクが使用できるよう設定の開示や約3000万円の損害賠償を求め、2020年、大阪地裁に訴えを起こしました。

 裁判の中で、キヤノン側は「不当な設定はしていない」などと、訴えの棄却を求めていました。

 2日の判決で大阪地裁は、消費者が、「(キヤノンの)純正品の購入を余儀なくされたとは言えず、不法行為に該当するということはできない」などとして、エコリカ側の訴えを棄却しました。

 キヤノンは「当社の主張が受け入れられてよかった」とコメントし、エコリカ側は「非常に納得できない判決」として、控訴を検討しているということです。

最終更新:06/02 19:19

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