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「安すぎて怪しいって?」PRの脱毛クリニックが一斉休業でトラブル 返金求めるも連絡取れず 被害者は集団訴訟へ

06/13 18:11 配信

 近年、利用者が急増する医療脱毛クリニックを巡り、トラブルが相次いでいます。大阪や東京などに展開するクリニックが、前ぶれもなく突然休業し、患者への返金をしないまま破産手続きの準備を進めていることが分かりました。被害者らは近く集団訴訟を起こす予定です。

 「コスパ最強!今なら全コース半額!」「安すぎて怪しいって? そんなあなたに逆にお聞きしたい!」

 派手なイラストと目を引くキャッチコピーを掲げる男性専門の医療脱毛「ウルフクリニック」。東京や大阪など4都市に店舗を構えていましたが、今年4月に突然、一斉に休業する事態に。さらに、5月31日までに業務の一切を停止するとともに、破産手続き開始の申し立てを行う予定となりました。
 クリニックに一体何があったのでしょうか。

(記者のリポート)「ここ、大阪の梅田院も4月中旬に突然閉院。あまりに無責任な行動に利用客からは怒りの声が聞かれました」

 大学生の男性(22)は去年10月、梅田院で合計10回の全身脱毛コースなど30万7000円で契約しました。「他の店と比べて安かった」ことが理由でした。

 ところが、今年4月に、梅田院を含む全国の店舗が一斉休業。男性は、3回目の施術後に、LINEで“休院”の連絡を受けました。

 「患者様各位 いつも大変お世話になっております。ウルフクリニック梅田院でございます。この度、急なお知らせでございますが、当院は一時的に休院をさせていただくことになりました。まず突然のご連絡となってしまったこと、大変申し訳ございません」

 5月の予約は一方的にキャンセルに。

 続いて届いたメッセージには、「5月中旬頃の再開に向けて準備をしております」とありましたが、記載されていた相談窓口に連絡してみると・・・。

(男性)「そこに電話してみたら繋がらなくて。音声メッセージが自動で流れて・・・。閉院するって急に言われて。音信不通の状態で」
 「後で、決済代行業者に問い合わせると、『倒産手続きをしている』と言われた。無責任なところがあるんじゃないか」

 男性によると、施術を受けていない7回分の返金がないと言います。単純計算で21万4900円分。「金額が金額なので。20万円って、バイト代の半年分くらいなので、倒産したんだったら返してほしい」と憤りを隠せません。

 集団訴訟を担当するアディーレ法律事務所の重光勇次弁護士によると、相談件数は6月11日時点で979件にもなり、このうち関西の被害者は70人以上といいます。被害総額は約1億8000万円以上(契約代金の総額)にも上っています。

 クリニックを開院する際の届け出時に医師がいなかったことも確認しているといいます。重光弁護士は「医療脱毛として、医師がいるかのように装って患者を集めて契約をさせた場合、詐欺罪に該当する可能性がある」と指摘します。

 では、被害に遭わないためにはどうすればいいのでしょうか? 重光弁護士は「最低限、医師がホームページなどに顔出しして経歴などが分かるところにする」「50%割引をうたうなど、過度な割引で顧客を勧誘しているところは避ける」ことが重要だと話しています。

 6月上旬には、被害者100人ほどで、集団訴訟を起こす予定です。

最終更新:06/13 18:25

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