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国内最大2m超「蛇行剣」 鞘は木製とみられ漆塗りの痕跡も 奈良・富雄丸山古墳
06/27 17:00 配信
奈良市の富雄丸山古墳で去年見つかった、日本最大とされる蛇行剣について、保存処理の結果、剣を納めていた鞘が木製で柄には漆を塗った装具の痕跡があったことがわかりました。
去年年末、奈良市の富雄丸山古墳で見つかった刃の部分が蛇のように曲がりくねっている蛇行剣は、長さ約2.37メートル、幅6センチで日本最大とされています。
これまで橿原考古学研究所と奈良市教育委員会が保存のための処理をしていましたが27日、片面分の保存処理が終わり、新たに剣を納めていた鞘の痕跡が見つかったと発表しました。
橿原考古学研究所によりますと、この鞘は木製で漆が塗られていたということです。
また、柄や鞘口などからも漆を塗った装具の痕跡が見つかったています。
柄頭、柄口、鞘口の痕跡の漆面に、辰砂といわれる鉱石から作られた赤色顔料もあったということで、装具に何らかの色づけがされいていた可能性もあるということです。
蛇行剣の用途について、現代の名工に選ばれている刀匠の河内國平さんは、剣の長さに反して柄が短いことに注目し「武器として使うには使いづらい。儀式などに使われていた可能性がある」と話しました。
今後は裏面の保存処理を進めつつ、新たな痕跡がないか調査をするということで、一般公開は予定されていません。
最終更新:06/27 17:22