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「存在しない」はずのメール198通見つかる IR用地めぐり鑑定業者とやりとり 大阪港湾局 担当職員が削除後にハードディスクに移す 

07/03 18:58 配信

 大阪市は3日、カジノを含む統合型リゾート(IR)用地の賃料の鑑定評価額をめぐり、これまで「存在しない」と説明していた鑑定業者との間のメールが、実際には今年4月、職員共用のハードディスクから発見されていたと明らかにしました。

 2029年の開業をめざす大阪IRをめぐっては、大阪市が建設用地の「夢洲」の賃料評価を、2019年に民間の鑑定会社に依頼。

 4社中3社の鑑定評価額が「1平方メートルあたり月額428円」と一致したため、不自然だとの声が上がり、市側は「賃料は適正だ」と主張しています。

 この鑑定に関して市はこれまでに、市議会や外部からの情報公開請求で「鑑定評価書」の作成過程がわかるメールや資料の公開を求められていましたが、大阪港湾局は「存在しない」と回答していました。

 しかし、大阪港湾局によりますと、4月に職員がパソコンの外付けハードディスク内に、業者とのメール198通が保存されているのを発見したということです。

 業者との連絡を担当していた職員が去年11月、メールをネットワークサーバーから削除し、ハードディスクに移したものを別の職員が見つけたといいます。

 担当職員は「1年以上経過したメールは公文書ではない」という誤った認識から削除した上、ハードディスクに移したことをほかの職員に伝えていませんでした。

 またメールの中には、鑑定業者1社の会社名について、職員のミスによってほかの3社が閲覧できる形で送られたものが数件あることも判明したといいます。

 大阪市の横山英幸市長は「不動産の鑑定は、審議会で適切に議論されて決定したもの。今回のメールが見つかったことで、これまでの説明に齟齬が生じたわけではない」とコメントしています。

 大阪港湾局は公文書の取り扱いが不適切だったとして、局内で研修などを実施し、再発防止に努めるとしています。

最終更新:07/05 13:57

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