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【独自取材】「のたうち回って身の置き所がない様子」患者カルテを入手 説明されなかった“新事実” カテーテル治療後に複数患者死亡 神戸徳洲会病院

10/04 17:08 配信

 神戸市の病院で、同じ医師にカテーテル処置を受けた複数の患者が死亡したと告発があった問題。ABCテレビの独自取材で、処置を受けた患者のカルテを入手。そこには当事者に説明されていなかった、新たな事実が書かれていました。

(山下さん・仮名)「横になろうと思ったら、急になんか苦しくなって息ができなくなって。締めつけられるようにギューッと」

 神戸市で暮らす山下さん(仮名・80代)。6月のある日の夜、胸が苦しくなり、呼吸もままならなくなったといいます。

 搬送されたのが、神戸市垂水区にある神戸徳洲会病院。心臓につながる血管が血栓などで詰まることで起きる「急性心筋梗塞」と診断されました。そこで受けた治療が・・・

(山下さん・仮名)「カテーテルの手術したみたい」

 カテーテル治療とは、直径数ミリの細長い医療器具で腕や脚から血管に通し、詰まりなどを解消する治療法です。山下さんも腕からカテーテルが通されて治療を受けました。

 その間、部分麻酔で意識があったという山下さんは、医師の気になる会話を覚えています。

(山下さん・仮名)「『ここで詰まってる』とか言ってたけど、ちょっと痛かったんですよね」

「詰まっている」という会話が聞こえたあとに、体内に痛みを覚えたというのです。

 山下さんがカテーテル治療を受けている時に、病院が記録していたX線の動画を見ると、治療の途中に、血管の出血を止めるためのコイルが入っているのが分かります。しかし・・・

(山下さん・仮名)「(Q.血管の穴を塞ぐ時に先生から説明は?)全然ないです」

 出血したことやその原因について、山下さん本人には説明されなかったといいます。

 神戸徳洲会病院では今年1月以降、カテーテル治療を受けた患者6人が死亡、うち5人は循環器内科の男性医師が担当したと神戸市などに告発文が届きました。

 7月には神戸市保健所が立ち入り検査に。患者の死因を十分に検証していなかったことや、家族に治療の経過や死因を細かく説明していなかったなどの点で行政指導をしています。

 保健所が説明が不十分だったと指摘した家族の1人が、高橋さん(仮名・当時70代)です。
 足を痛がっていた夫が、神戸徳洲会病院でカテーテル治療を受けていましたが、入院から6日後に突然死亡。

(高橋さん・仮名)「なんで急にそないなったのか、おかしいという気持ちになってきて」

 病院は「のどに痰が詰まって死亡した」と説明しました。
 しかし、一連の報道を見て病院からカルテを取り寄せると、そこには「うめき声が聞こえ訪室。のたうち回って身の置き所がない様子」とありました。

 夫はカテーテル治療の約5時間後から死亡する直前まで、何度も足の痛みを訴えていたことがわかりました。

 疑問を感じた高橋さんは、夫が死亡してから半年後に説明を求めると、医師は「血管が悪いので、痛みが出ても不思議はないです」「透析患者さんだと、ありふれた話ですよ」「(死因と)カテーテル治療とは絶対関係ないです」として、カテーテル治療による影響を否定したということです。

最終更新:10/04 17:08

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