関西ニュースKANSAI

「15年しか生きていない・・・」遺族の思い 中学3年の男子生徒いじめ苦に自殺か 担任の言葉で不登校が長期化も学校側は「重大事態」と認めず 神戸市教委が第三者委員会を設置へ

11/02 18:30 配信

 神戸市立の中学校に通っていた3年生の男子生徒(15)が10月25日、自宅で死亡しているのが見つかりました。自殺とみられています。
 「いじめを受けていた」。家族は声を詰まらせながら、そう訴えました。

 男子生徒の自宅で、両親が取材に応じ、息子が亡くなった当時のことを振り返るとともに、今の思いを語ってくれました。

 (父親)「嘘であってくれ、冗談やろと思って(自宅に)帰ってきたら…(息子を)見たら真っ白になって何が何だか訳が分からん状態になった」
 (母親)「親の文句も言わないし、友達の文句すら聞いたことがなかった。行きたい高校も決めていて、高校に行くとアルバイトもしないといけないからと言ってアルバイトもここですると決めていたのに」「15年しか生きていないから、できるものなら返してもらいたい」

 男子生徒はおととし春の中学入学後からいじめに遭っていたといいます。
 (母親)「クラスの数人の生徒から『無視される』『身体的な暴言を吐かれた』。だから(息子から)『僕学校嫌やねん』と聞いた」
 去年には上級生に腹を殴られたとして学校や警察に相談していたといいます。

 男子生徒は学校を休みがちになり、中学2年の秋ごろ、校内の不登校教室に通うようになりました。
  (母親)「2年生の担任から(不登校教室の)提案をいただいて1日10分でも15分でもちょっとでもいいから(学校に)おいでって。『それだったら頑張って行ってみようかな』と本人が言った」
 それから不登校教室に通っていました。

 しかし・・・
 (母親)「3年生の担任が変わって、『10時半まで学校にいてください』というのを再三言ってきたんです。それが苦痛だったんだと思う。それさえなく10分15分でいいから『毎日学校へ来てね』って言ってくれてたら、今も毎日学校へ通っていたんじゃないかな」

 男子生徒は、3年以降は不登校教室にもほとんど通えなくなっていました。
 文科省のガイドラインには「いじめにより年間30日を目安に欠席している疑いがある場合、『重大事態』として調査をする」と定められています。
 男子生徒は年間30日よりも遥かに多く欠席していたにもかかわらず、学校側はこれまで「重大事態」と認めてきませんでした。

 男子生徒の死亡を受け神戸市教委は、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」にあたるとして第三者委員会を設置する方針です。
 (母親)「暴言を一言吐くことによって誰か人が死ぬかもしれない。それくらい言葉って重いもの。(いじめの)自覚が自分になくてももっともっと考えて行動してもらいたい」


 厚生労働省は、悩みを抱えている人に対して相談窓口の利用を呼びかけています。どうか1人で悩みなどを抱え込まず、「いのちの電話」や「こころの健康相談統一ダイヤル」などに相談してください。
 「日本いのちの電話」
 ▽ナビダイヤル 0570-783-556 午前10時~午後10時
 ▽フリーダイヤル 0120-783-556 毎日:午後4時~午後9時 毎月10日:午前8時~翌日午前8時
 「こころの健康相談統一ダイヤル」
 ▽0570-064-556(曜日、時間は都道府県により異なります)

最終更新:11/02 18:30

関西ニュースヘッドラインKANSAI

もっとみる