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【京アニ裁判】妻亡くした遺族の涙ながらの質問に「申し訳ない」 謝罪の言葉くり返す青葉被告 あす論告求刑

12/06 18:49 配信

 36人が犠牲となった京都アニメーション放火殺人事件の裁判員裁判。6日、青葉被告が初めて法廷で謝罪の言葉を口にしました。

 4年前、京都アニメーションの第1スタジオを放火し、36人を殺害した罪などに問われている青葉真司被告。午前10時半から始まった裁判で当時、京アニの第1スタジオ内にいた男性が法廷に立ち「多くの人を傷つけ命を奪った行為は、どんな理由であろうと正当化できない。被告には自らの命をもって償ってほしい」と述べました。

 午後からの検察側による被告人質問では、初めて謝罪の言葉を口にしました。

(検察)「証言に立った被害者に向けてどんな気持ちがあるか」
(青葉被告)「申し訳ございませんでしたという言葉しか出てきませんでした」

 さらに「その気持ちはいつから生まれたものか」と尋ねられると、青葉被告は「弁護人と面会しているころ、裁判が始まる前あたりから、だんだんとそういう感情が芽生えるようになった」と打ち明けました。

 一方で、これまでの20回にわたる公判で明確に謝罪の言葉を述べなかったことを指摘されると「『やりすぎた』というかたちでは言っていたことがあると思います」と述べました。

 続いて質問に立ったのは、事件で妻を亡くした寺脇(池田)晶子さんの夫です。

(寺脇さん)「京アニの作品を見て感銘を受けて小説を書き始めたのですよね」
(青葉被告)「そうなります。『愛深ければ憎しみ多い』と言いますが、事件を振り返ると(作品に対して)何も感じなければ何も起こさなかったと思います」

 はじめは落ち着いた口調で青葉被告と言葉を交わしていた寺脇さんでしたが、家族の話に及ぶと涙ながら青葉被告に質問をぶつけました。

(寺脇さん)「事件後に私と息子は普通に過ごすことが、いかに大変か実感しました。母親を失ってさみしい思いをしている息子についてどう思いますか」
(青葉被告)「やはり申し訳ない」
(寺脇さん)「池田(寺脇)晶子に対して、今どう思いますか」
(青葉被告)「申し訳ないと思っています」

 次に問いかけたのは、寺脇さんの息子が抱いている思いです。

(寺脇さん)「私の息子が疑問に思っていること『青葉さんに聞いてほしい』と言われたことなので質問します。何でこんなことをしたのか、子どもが理解できる言葉で説明していただけると助かります」
(青葉被告)「・・・」
(裁判長)「これは今考えているんですか?」
(青葉被告)「うーん、答えにくい質問だと思います」

 あす7日、論告求刑が行われ、来年1月25日に判決が言い渡されます。

 裁判を終えた寺脇さんの夫はー
「言葉だけであれば、問題があったような公判ではきょうはなかった。言葉の中に含まれる感情っていう部分まで考えると、非常に問題があった。本日の公判だったと」
「控室に帰ってこられて、何名かの遺族から罵声が出てた。私もそのうちの1人ですけど。それくらいひどい公判だったと思う」
「後悔という言葉は引き出せたと思ってます」
「私としては晶子の墓前、または子どもに報告したいなと思ってた内容は無事確認が取れたかなと」

最終更新:12/06 21:52

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