関西ニュースKANSAI

【能登半島地震】「いまはまだ頑張れている」「これからは人の支援が必要」 地震発生2週間で見えてきた地域医療拠点病院の”新たな課題”

01/16 13:29 配信

 石川・能登地域唯一の地域医療支援病院「恵寿総合病院」。4つある病棟のうち免震構造だった本館は概ね無事だったものの、耐震構造だった他の病棟は天井パネルが剥がれ落ちたり、スプリンクラーが作動してしまって水浸しになったりするなど、大きな被害がありました。

 生き残った1棟をベースに医療を継続してきましたが、地震発生から2週間が経ち、神野正博理事長は病院の課題に変化が出てきたと言います。

【Q.いま来院者に多い病気は?】
 災害に伴うような骨折とか外傷の患者さんはガクーンと減ってきました。いまは感染症の患者さんが増えてきました。コロナが多いです。1晩で10人から15人が陽性になっています。いま七尾市内にいるのは実質3万人ぐらいだと思いますが、これはかなり多い水準です。
 避難所から受診に来られる方が多いので、避難所でコロナがまん延していないか心配です。いまではコロナ専用の避難所、避難所の中で隔離してもらうという体制を整えてもらいましたが、それまではみなさん一緒に生活されていましたので。

【Q.断水の影響は?】
 発災直後から井戸水をろ過して飲み水にかえる装置をフル稼働させています。ただ、免震構造だった棟以外は水道管が破裂するなど損壊がありましたので、全病棟が稼働できたわけではありません。

【Q.病院職員の方の出勤状況は?】
 多くの職員が被災しましたが、みなさん自分の家は後回しにして駆けつけてくれたので、この病院機能は成り立っています。避難所から通ってくれている人もいます。出勤ができないという人も10名ほどいます。

【Q.地震発生から2週間で職員の方の様子は?】
 まだみなさん頑張れています。これからだんだん疲れが出てくる。それが管理者としては心配しているところです。先週、心の相談室を開設し、院内託児所もつくりました。

【Q.これから必要になる支援は?】
 幸せなことに全国の病院、団体からいろいろな物を支援いただきました。これからは「人の支援」が必要になってくると思います。疲れた職員を休ませるために、人の応援をお願いしたいと思っています。

【Q.二次避難について判断のポイントは?】
 恐らくカギは2週間続いている断水だと思います。水と衛生は対になっているものだと思うので、水の復旧が進んでくれば、町の復興のために残る方がいてもいいのかなと思います。

最終更新:01/16 13:29

関西ニュースヘッドラインKANSAI

もっとみる