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原発避難者訴訟で神戸地裁も国の責任認めず 「津波は当時の予測を上回る規模」 東電のみに賠償命じる判決

03/21 16:35 配信

 東京電力福島第一原発の事故後に福島、宮城両県から兵庫県に避難した78人が、国と東電に損害賠償を求めた裁判で、神戸地裁は21日、国への請求を退け、東電のみに賠償を命じる判決を言い渡しました。

 原発避難者への賠償をめぐる裁判では、最高裁が2022年に国の責任を認めない判決を言い渡していて、以降、下級審では同様の判決が続いています。

 福島第一原発の事故をめぐって、兵庫県に避難してきた30世帯78人は、事前に津波の対策を講じていれば事故は避けられたなどと主張して、国と東電に計6億9100万円の損害賠償を求める訴えを起こしていました。

 21日の判決で神戸地裁は東電に対し、原告のうち22世帯50人に計約2420万円を支払うよう命じた一方、「津波は当時の予測を上回る規模で、適切な措置を取っていたとしても、事故は避けられなかった可能性が高い」と判断し、国の責任は認めませんでした。

 判決を受けて弁護側は「当時の予測から、福島県に10メートルを超える津波が来ることは予見できた」などとして、控訴する方針です。

最終更新:03/21 19:24

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