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「取り返しの付かないことしてしまった」“パワハラの全責任認め謝罪” 宝塚歌劇団側が俳優死亡問題で遺族側と合意 「リスクマネジメント推進室」など歌劇団改革案も発表

03/28 18:48 配信

 去年9月、宝塚歌劇団の宙組に所属していた女性(25)が死亡した問題をめぐり28日、遺族と歌劇団の間で合意が成立しました。

 歌劇団側は「舞台で活躍を夢見て希望を持った本人がどういう気持ちだったか。遺族がどのような心情だったかと思うと、取り返しの付かないことをしてしまった」として責任を認め、謝罪しました。

 28日午後4時から、遺族側と歌劇団側はそれぞれ会見を開き、双方の間で合意が成立したと発表しました。

 28日午前に、歌劇団を統括する阪急阪神ホールディングスの角和夫会長が遺族に面会し、直接謝罪した上で、合意書を締結したということです。

 合意書では、歌劇団はパワハラの全責任を認めて謝罪すること、二度と同様の被害が生じないよう健康な職場を作るために全力を尽くすこと、慰謝料などの解決金として遺族に金銭的な補償を行うこととされました。

 争点となっていたパワハラの項目については、遺族が主張していた、上級生がヘアアイロンでやけどさせたことなど15項目すべてを認めた上で1項目を追加し、内容を整理して14項目が合意書に明記されました。

 一方、遺族は上級生がヘアアイロンを押し当てたのは故意だったと主張していましたが、その点については認められませんでした。

 パワハラをしたとされる上級生ら相当数が遺族に謝罪文を書き、角会長が手渡したということです。

 今後、歌劇団の改革に向け、
▼活動時間管理の強化のため、劇団施設への入退館時間の記録
▼ITツールの導入で、出演者やスタッフの情報共有の円滑化・効率化
▼4月1日付で、阪急阪神ホールディングスに、社長直轄の組織として「リスクマネジメント推進室」を設置
などの対策を進めるということです。

 去年11月に歌劇団が公表した外部弁護士の調査報告書では、女性へのパワハラが認められていませんでした。

 遺族側は歌劇団に対し、パワハラ行為があったと主張し、調査報告書の内容にしばられない合意成立に向け、歌劇団側と話し合いを重ねてきました。

 合意を受け、死亡した女性の母親は「言葉では言い表せないたくさんの複雑な思いがあります。娘に会いたい、生きていてほしかったです。最後になりましたが、娘にお心を寄せてくださった方々に感謝を申し上げます」とコメントを発表しました。

最終更新:03/28 18:48

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