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【参院選】政治学者が読み解く「選挙とSNS」① 3割超が投票行動に「SNSを一定重視」 ”あくまで1人の意見”のSNS それぞれの特性と上手な使い方
07/02 11:27 配信
今月20日に投開票される参議院選挙。XやYouTubeなどSNS上では候補者や支援者の投稿が活発になってきました。
ANNが去年12月に行った調査では、「投票する政党や候補者を決める際、SNSや動画サイトの情報を重視するか」との問いに対し、「重視している」との回答は8%、「ある程度重視している」との回答は28%でした。
同調査では「重視していない」が34%、「あまり重視していない」が27%と、決して多数を占める訳ではありませんが、3割を超える人がSNS情報を投票行動の参考にしていることがわかります。
編集されていない「生」の情報に触れられる反面、精査されていない「誤った」情報も同時に流れるSNS。
選挙時に私たち有権者はどう活用すべきか。政治学の博士で陰謀論の研究などを行う、大阪経済大学の秦正樹准教授に話を聞きました。
全3回連載の1回目、テーマは「SNSとメディア」と、「SNSプラットフォームの特性」です。
■「SNS」とざっくり言っても、大手メディア・政治家本人・一個人など沢山のアカウントがあり、情報があふれています。
--「個人のアカウントから発信されるものはあくまで感想、意見なんです。政治家本人の思考、考えを知りたければSNSでいいと思いますが、テレビや新聞で発信する情報と同じ価値を持つと思っている人が多いのではないか」
■スマホの画面を介することで「同じ価値のもの」に見えてしまうのでしょうか?
--「そういう側面は大きいと思う。情報のソースがどこなのか、意識せずに見るようになったことで、『これは記事。これは意見』と簡単に分けることが難しくなったのではないか」
■X、YouTube、TikTokなどプラットフォーム毎に特性はあるのでしょうか?
--「2020年ぐらいから、政治の情報を何から得たのかという調査においてYouTubeが一番になっている。YouTubeは『見たい物を見る』という傾向が強い。一方Xは、イーロン・マスク氏が経営に関与するようになってからアルゴリズムが変わり、バズっている情報に接触しやすいメディアになった。フィルターバブル感で言えば、XよりYouTubeの方が強い」
(※フィルターバブル=SNSのアルゴリズムによって関心・興味があることばかりが表示され、多様な意見に触れにくくなること)
--「先行研究でも、日本のXユーザーというのは分断的ではないと言われている。いわゆる”左派系メディア”をフォローしている人が、左派系ばかりフォローしている訳ではなく、”右派系メディア”をフォローしている人が、右派系ばかりフォローしている訳でもない。Xは比較的情報がブレンドされている。僕は陰謀論の研究をしていますが、YouTubeは『自分が見たい物を見る』ためのSNSなので、陰謀論にハマりやすい傾向があるが、Xでは出ていない」
--「TikTokは、政治家や支持者の投稿が多く党派性が強い。街頭演説に近い情報だと思っている」
次回、2回目のテーマは「コメント欄が与える影響」です。
最終更新:07/02 13:18


