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【夏本番!秋にかけて要注意】桜を食い荒らす厄介者! 特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」が日本で増加中 全国15都府県で確認
07/18 18:30 配信
木を枯らす厄介者が全国で被害を広げています。その名も「クビアカツヤカミキリ」。全国15都府県で確認されていて日に日にその数を増やしていますが、実はいま、彼らによって桜が危険な状況にあるといいます。なぜなのか?また被害は食い止められるのか、研究者らを取材しました。
◆“首に見える部分が赤い”クビアカツヤカミキリ 大阪府では2015年から確認されている
7月6日大阪府柏原市の玉手山公園には、午前10時ですでに30度を超える暑さの中、多くの人が集まっていました。彼らの目的は「クビアカツヤカミキリ」だといいます。クビアカツヤカミキリは、虫でいう「胸の部分」が赤色になっていて、人間の感覚で見てみると、「首の部分が赤く見える」ことから、その名がついたと言われています。本来日本にはいないはずの生き物で、特定外来生物に指定されています。2015年に初めて大阪で確認され、現在は大阪府内29市町村で被害が確認されています。
◆幼虫が木の水分や養分が通る部分を食い荒らし枯らす
クビアカツヤカミキリは成虫が木に卵を産み付け、幼虫が木の内部で育ち、成虫になってから木から飛び立ちます。幼虫は木の水分や養分が通る幹の内部を食い荒らし、穴を空けます。食い荒らされた木は、樹齢が経ち弱ってくると、水分を吸い上げられなくなり枯れてしまいます。こうした木は、倒木の被害が出る可能性もあり、危険だといわれています。
◆桜や桃などのバラ科の広葉樹が狙われやすい 近畿地方では滋賀県以外で確認
クビアカツヤカミキリは近畿地方ではすでに滋賀県以外で確認されていて、各自治体が頭を抱えています。繁殖力が強く、また桜や桃などの広葉樹を好むため、花見が脅かされている、と大阪府みどり企画課の技師、田子多さんは話しています。
(田子多正貴さん)
「桜が集まっているところは1本に入ってしまうとそこから連鎖的に広がってしまい、全ての木がやられてしまうというケースがある」
◆「クビアカツヤカミキリ」被害を食い止める奥の手「夏の陣」が開催される
大阪府は少しでも被害を食い止めるべく、誰でも参加することができる捕獲イベント、「夏の陣」を6月から8月にかけて開催。バッジやトートバッグなどがイベントに参加すればもらえるほか、網の貸し出しなどもあり、気軽に参加することができます。捕獲数の上位者には、Amazonギフト券や大阪産(もん)詰め合わせなど、豪華景品も。参加者は汗を流し、クビアカツヤカミキリを探しますが…広大な公園でどのように見つけるのがいいのでしょうか?
◆桜などの木に「オレンジ色の粉」があれば・・・「クビアカツヤカミキリ」がいる“サイン”
クビアカツヤカミキリの幼虫が木を食い荒らしたあと、糞としてだすのが、「フラス」と呼ばれるオレンジ色の粉です。こうした粉があると近くにクビアカツヤカミキリがいる可能性が高いそうです。この日の参加者も、この「フラス」を頼りにクビアカツヤカミキリを探していました。
◆クビアカツヤカミキリを捕まえても「すぐ殺処分」! 特定外来生物に注意
この日のイベントには、大阪市から訪れた清水さん一家の姿もありました。
(父・康弘さん)
「子どもが昆虫が好きで、虫のゲームでクビアカツヤカミキリが登場して知りました」
(姉・百花さん)
「花見ができなくなるのは嫌です」
(弟・薫くん)
「30匹ぐらい捕まえたい」
取材した記者が清水さん一家とともに約10分間ほど探していると、ちょうど飛行中のクビアカツヤカミキリを発見。薫くんが手際よく網で捕まえ、百花さんがエタノールの入ったボトルに入れて殺処分しました。「クビアカツヤカミキリ」は特定外来生物のため、持ち帰って育てることなどが禁止されていて、捕獲した場合はすぐ殺処分することが定められています。
◆クビアカツヤカミキリには「ジャコウ臭」があり注意
クビアカツヤカミキリは他にも、「ジャコウ臭」という独特の臭いがあり、素手で触ると臭いがつくので注意が必要です。イベントでは殺虫用にエタノールが入ったボトルが渡されていましたが、大阪府などによりますと、普段の生活で見かけた際は、殺処分する際は足で踏みつぶしたり、硬い石で叩き潰すなどして殺虫するのがいいということです。7月6日、この日のイベントでは午前中の1時間だけで11匹が捕獲されましたが、6月には90匹以上が捕獲された日もあったそうです。
◆そもそもクビアカツヤカミキリはどこから? 専門家「まだ謎が多い昆虫」
日本にはもともといなかったというクビアカツヤカミキリ。一体どこからやって来たのでしょうか。専門家で大阪府立環境農林水産総合研究所の生物多様性センター・主査、山本優一さんは遺伝子を調べた結果、ある地域から来た可能性が見えてきたと話します。
(生物多様性センター・主査 山本優一さん)
「国内で見つかった個体の遺伝子を調べてみると、中国で発見された個体の遺伝子と一致したことなどから、元々自然分布していた、中国であるとか、韓国であるとか、そういった地域から日本に侵入してきた可能性が高いと考えられます」
「大陸から送られる荷物で梱包材の中に、例えばさなぎであるとか、幼虫であるとかそういった形でこの虫が紛れていて、国内に持ち込まれたあとに成虫となって飛び出ていってしまった可能性というのが指摘されております」
クビアカツヤカミキリは6月ごろから成虫となって木から出てきて、桜などに被害を及ぼすといわれています。これから暑くなる季節ですが、10月ごろまでクビアカツヤカミキリは分布を広げるともいい、生物多様性センターの山本さんは、「何とか殺虫してもらうというところが非常に重要になってくる」として、発見した人には難しいながらも、桜を守るため、殺虫をお願いしたいと話していました。みなさんも、桜の下に「フラス」を見かけた際は、クビアカツヤカミキリに注意が必要です。
最終更新:07/18 18:30


