関西ニュースKANSAI

和歌山市長、乳幼児健診を受けていなかった2歳児の虐待死疑いに「市の立場から強制できない」 市内の1歳6カ月健診の未受診は約50人 

09/29 12:54 配信

 和歌山市で2歳の長女を虐待して死なせたとして、両親が逮捕された事件で、両親が行政による乳幼児健診を、生後4カ月を最後に受診させていなかったことについて、和歌山市の尾花正啓市長は29日「市の立場から健診は強制できないが、未受診の方のフォローをしていきたい」と話しました。

 和歌山市によりますと、乳幼児には法定の1歳6カ月児健診、3歳児健診に加えて、4カ月児、10カ月児にも健診を行っています。

 両親は長女に10か月健診と1歳6か月健診を受診させていなかったため、保健所の職員が自宅に訪問しました。10カ月健診の未受診に絡む訪問では長女は適正体重で、1歳6カ月健診に絡む訪問の際は、目視で異常は認められなかったということです。

 和歌山市の尾花正啓市長は29日の定例会見で「今回の事件は痛ましい、あってはならない残念な事件だった」とした上で、「保健所の対応は適切だった。市の立場から健診は強制できないが、未受診の方のフォローをしていきたい」と話しました。市内の1歳6カ月健診の未受診は、去年度で約50人いたということです。

 和歌山県紀の川市の平晴流容疑者(26)と妻の菜々美容疑者(26)は、去年秋ごろから今年7月上旬にかけて、和歌山市内にあった自宅で長女の流菜ちゃん(当時2歳)に暴力を振るったうえ、医師の治療を受けさせず、7月10日に全身打撲による外傷性ショックで死亡させたとして、26日に保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕されました。2人は警察の調べに対し「間違いありません」と容疑を認め、顔など全身を殴打したと話しているということです。

 流菜ちゃんに十分な食事を与えなかったことも認めていて、死亡時の体重は約6.1キロと、標準的な2歳児の半分ほどしかありませんでした。

 また、捜査関係者への取材で、流菜ちゃんはあごを骨折していたことも判明しています。菜々美容疑者は警察に「背中を押して転び、床に打ち付けた」と説明していたということです。警察は、2人が日常的に虐待を加えていた可能性もあるとみています。

最終更新:09/29 13:24

関西ニュースヘッドラインKANSAI

もっとみる