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日中関係の緊張高まる中…中国のSNSでは生成AI使用の“フェイクニュース”や「日本旅行を自粛せよ」の投稿増加 一方の大阪・ミナミでは「政治は関係ない。お互いに交流を深めより良い生活を」など 冷静な声聞かれる
11/20 19:13 配信
日中関係の緊張が高まる中、中国のSNSでは、「日本旅行を自粛せよ」などという内容の投稿や、生成AIを使用した“フェイクニュース”などの投稿が増加していることがわかりました。
一方、多くの観光客が訪れる大阪・ミナミで中国人観光客を取材すると、「政治は関係ない。お互いに交流を深め、より良い生活を送ることが願い」などと、冷静な声も聞かれました。
高市総理の台湾有事に対する答弁や、中国の薛剣駐大阪総領事のXへの過激な投稿をめぐり、日中関係の緊張が高まる中、中国政府は国民に対し「日本旅行を控える」よう求める要請を出しています。
20日、ABCテレビの記者が中国のSNSを確認すると、政府の要請に呼応するように「日本旅行を自粛せよ」といった内容の投稿が増えていました。
中には、生成AIを使用したとみられる、「フェイクニュース」が拡散されていて、19日には霧に覆われた道頓堀の写真に、無関係の大雪被害を伝える文章が添えられ、「日本全体が大雪で被害を受けている」とも受け取れる内容の投稿もありました。
一方で、多くの外国人観光客が訪れる大阪・ミナミを取材すると、日本を訪れる中国人からは、冷静な声が聞かれました。
(記者の質問)中国政府が日本旅行の自粛を呼びかけていますが?
(北京から来た学生)「推奨しないだけであって、禁止はされていません。私たちはすでに旅行のスケジュールを組んでいましたので、どうしようもありません。(来てみると)日本はやはり、なかなかいい国です」
(香港から来た女性)「私たち香港人はあまり気にしません。ネットで見ていると、中国政府のやり方が良くないという意見もある」
(上海から来た夫婦)「あまりに敏感な話ではあるけれど、政治は関係ありません。私の願いは、お互いに交流を深め、より良い生活を送ることが願いです。国民が代々友好関係を築き続けることを心から願っています。だって私たちは庶民ですから。国の上層部も交流を重ね、摩擦を収めてくれることを願います」
2020年2月、コロナウイルスの感染拡大の中、中国・武漢が“発生地”とされ、大変な状況にあった際に、大阪・ミナミの商店街は「がんばれ武漢」というのぼりを商店街に掲げました。
当時、商店街には「中国を応援するのか」と批判が寄せられましたが、「ミナミの町を楽しんでくれたお客様に国籍は関係ない」と、周辺とも連携して中国にエールを送り続けたといいます。
道頓堀川で遊覧船を運航する、一本松英三さんは、日中の摩擦が表面化した11月中旬以降も、多くの中国人客が来ているとした上で、「来ていただける方には楽しんでいただきたいし、僕らは何も変わらない」と話しています。
最終更新:11/20 19:13


