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関西国際空港の“謎”? 開港から30年超でも施設の安全維持し続ける「秘訣」だった!?
12/14 07:00 配信
2024年に開港から30周年を迎えた、関西国際空港(大阪府泉佐野市)。
その主要ターミナルである第1ターミナルに、“不思議なコンセント”があるということで、取材しました。
■大規模リノベーション工事でリニューアル続く関西国際空港
関西国際空港はリノベーション工事の真っ最中。
工事が完了したエリアを随時オープンさせていて、最終的な工事の完了については2026年夏を目指しています。
2023年には国際線の出国エリアがリニューアルオープンし、ことし3月には第1ターミナルビルがグランドオープンしています。
■リニューアル続ける関空…しかしまさかの“使いにくいコンセント”が存在!?
利便性をどんどん高め、利用客の満足度向上を目指し続けている関西国際空港。
…ですが、そんな中「逆行」とも言える「使いにくいコンセント」があるといいます。
空港職員とともに向かったのは…1階の、飛行機までバスに乗って向かう際に利用するエリアでした。
コンセントはだいたいが床面に近い所にある、機械などの電源確保のため使い所にあるもの…ですが、なんとこのエリアのコンセントのほとんどが、なぜか大人の「腰・おなか」あたりの位置に!?
床からおよそ1mという、中途半端な高さにあるコンセント。
なぜこんな微妙な高さなのでしょうか?
さらに、コンセントは全て同じ高さにあるわけではなく、10センチ程ずれているものも…。
■理由は海に近い?高潮対策? ではなく…関空の立地が抱える特有の問題対策!
コンセントが高い位置にある理由を取材班がいろいろと推理したところ、「台風が直撃した時に浸水したことがあった?」「高潮対策?」など、水害対策では?という声が。
しかし、真実は違った理由からであることが、1つの「不自然なエスカレーター」を見つけたことで明らかになりました。
不自然なコンセントがあるフロアに伸びたエスカレーターですが…なぜか、「床面」まで届かずに、スロープが取り付けられ、利用者はようやくフロアにたどり着くことができる仕様に。
実はこのエスカレーター、設置された当初はちゃんと「床面」に接地しており、ある理由から後になってスロープを設置せざるを得ない状況になっていました。
■その理由は…「地盤沈下」だった!! 「コンセントが上がった」のではなく壁が上がった!?
床面にエスカレーターが接地しなくなった理由、それはなんと「地盤沈下」。
関西国際空港は、大阪湾を埋め立ててできた人工島で、建設時は海底に100万本ものパイプを打ち込んで、地盤を固めるという地盤改良を行いました。
しかし、地盤改良できないさらに深い部分の、大量の海水を含んだ土は、それが固まるまで、ターミナルビルの重みなどでゆっくりと沈んでしまうんだそう。
つまり、関西国際空港のターミナル部分は、およそ30年の間に少しずつ沈んでいるんです!
■一定ではない高さを調整…そのためコンセントの位置が「バラバラ」に!
そして、建物の沈下はもちろん「一定に下がる」わけではないため、場所よってバラバラ。
関西国際空港では、高さを一定にするために、沈んでいる部分の柱を上げるなどして調整しています。
そのため、床面に接している、ターミナルの1階部分のコンセントの位置も、調整に応じてそれぞれの高さになり、“使いにくく”なってしまっている、ということでした。
■沈下の調整は定期的に手作業で!確認に確認を積んでプレートをはめ込む作業
沈下幅を調整する柱は、油圧のジャッキを使い、できた隙間に、沈下幅を合わせて、6ミリと16ミリのプレートを挟んで上げ、調整します。
この調整が必要な柱は、第1ターミナルだけで、なんと950本以上!
安全に施設を利用できるように開港当初から30年間にわたって定期的に作業されていました。
(2025年12月9日(火)「newsおかえり」の「なんでやねん!」で放送)
最終更新:12/14 07:00


