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暴行に及んだ理由は「こちらが真剣であることを分からせるため」 捜査対象だった男性に暴行加えた罪に問われている大阪府警の警察官 検察は拘禁刑2年を求刑 弁護側は執行猶予付き判決求める
12/24 19:58 配信
風俗スカウトグループ「ナチュラル」の家宅捜索中に、捜査対象者に暴行をした罪に問われている大阪府警の警察官が、24日の裁判で暴行に及んだ理由を「こちらが真剣であることを分からせるためだった」と述べました。
時長力被告(51・休職中)は大阪府警捜査4課に所属していた7月に、女性に性風俗店を紹介するスカウトグループ「ナチュラル」の関係先へ家宅捜索した際、捜査対象者だった男性2人に額を拳で押したり手でアゴを押し上げたりするなどの暴行を加えた特別公務員暴行陵虐の罪に問われていて、これまでの裁判で起訴内容を認めています。
24日、大阪地裁で開かれた被告人質問で時長被告は、捜索の目的はナチュラルの内部で使用されていた「『チャットアルファ』と呼ばれるアプリの解析だった」と述べました。
警察が捜索に入ったことがナチュラルの本部に知られると、アプリの中身が遠隔操作ですべて消される恐れがあったことから、当時「統括責任者」だった時長被告は、上層部からその場でスマートフォンのパスコードやアプリの暗証番号を聞き出すことを強く指示されていたといいます。
パスコードなどを聞き出すことが目的の捜索は初めてで、実際、捜査対象者に問いただしても言わないことから「こっちが真剣であること分からせるために顔を上げさせた」と話しつつ、「そこまでする必要は無かった」と振り返りました。
一方、大阪府警が現場に設置していた隠しカメラの映像を消去したことについて、検察官から「消去したのはあなたですか」と問われると「いえ、違います」と否定しました。
検察は「上層部からの期待に応えるために違法行為に及ぶのは本末転倒である」として拘禁刑2年を求刑しました。
一方、弁護側は「被告の暴行は捜査対象者に傷害を生じさせるものではないし、被告は今後警察官を失職する可能性があるなど社会的制裁は受けている」と執行猶予付きの判決を求めました。
判決は、来月26日に言い渡されます。
最終更新:12/24 19:58


