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42年前の「日野町事件」で再審開始決定 えん罪訴えながら死去 遺族は捜査機関に「憤り感じる」

02/25 20:04 配信

 42年前に滋賀県日野町で起きた強盗殺人事件で、最高裁は24日、服役中に死亡した男性の遺族が起こした再審=裁判のやり直しを認める決定をしました。

 再審法改正に関する集会で東京にいた息子の阪原弘次さん(64)にとって、それは突然の知らせでした。

阪原弘次さん
「検察の特別抗告が棄却されました。本当に長い時間がたったと思います」

 最高裁が、大阪高検の特別抗告を棄却し、父・弘(ひろむ)さんの裁判のやり直しが決まったのです。

 1984年、滋賀県日野町で、酒店店主の女性(当時69)が殺害され、金庫が奪われる事件が発生しました。
 3年後に滋賀県警に逮捕されたのが、店の常連客だった阪原さんの父・弘さんでした。
 逮捕前の取り調べで犯行を自白したことなどを理由に、裁判では無期懲役の判決を言い渡されました。

しかしその弘さんの自白は・・・。。

阪原弘さん 
「それまでなんぼ拷問受けても死なへんさかいにと、私はこう思いましたが、娘のこと言われた時にはもうそれに応じなしょうがないなと」

 弘さんは、警察から「娘の嫁ぎ先に行っておれんようにしたる」などと脅され、自白を強要されたと当時の弁護士に訴えていたのです。弘さんは、判決から1年後の2001年に再審=裁判のやり直しを請求しました。

阪原弘さん
「犯人扱いされてなんでこんなことするんでしょうね。私は悔しくてなりません」

 その後病に倒れ、2011年に「受刑者」としてこの世を去りました。

 遺族はその後改めて再審を請求。弁護団はそこで数々の新証拠を発見しました。

 弘さんに金庫が捨てられていた山中を案内させる「引き当て捜査」の様子を撮影した写真のフィルムを弁護団が確認すると、警察の調書では、弘さんが来た道を戻っている時に撮った写真を、さも現場まで案内しているように順番を変えて貼っていたのです。

 2018年、大津地裁は再審の開始を決定。さらに2023年の大阪高裁でも弘さんに案内させた遺体の発見現場が「捜査官による誘導の可能性がある」などと判断し、検察の即時抗告を棄却していました。

 それから3年後の2月24日、最高裁は「本件再審請求を認容すべきものとした原判断に誤りがあるとは認められない」として、検察の特別抗告を退け、再審開始を決定しました。
 弘さんの息子、弘次さんは25日の記者会見で次のように語りました。

阪原弘次さん
「我々家族は一丸となって、父を刑務所の中から救い出したい、無罪判決を勝ち取ってむかしのもとの幸せな生活を送りたいという思いでやってきました」
(Q.捜査機関と裁判所には?)
「憤りを感じます」
「大津地裁で再審開始の決定がなされてから7年半かかっているんですよね。なぜこんな長くかかったのか。本当に長い時間がかかりました。かかりすぎたと思います。」

 今後、大津地裁で再審が開かれ、阪原弘さんは無罪を言い渡される見込みです。

最終更新:02/25 20:04

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